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相続判例集3

画像 相続の判例集です。
再転相続人の相続放棄、遺言執行者の登記手続き、遺言執行者がいる場合の遺産処分、特別失踪、などの判例です。

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再転相続人の相続放棄(最判昭和63年6月21日)

民法第916条の規定は、甲の相続につき、その法定相続人である乙が承認又は放棄をしないで死亡した場合には、乙の法定相続人である丙のために、甲の相続についての熟慮期間を乙の相続についての熟慮期間と同一にまで延長し、甲の相続につき必要な熟慮期間を付与する趣旨にとどまるのではなく、このような丙の再転相続人たる地位そのものに基づき、甲の相続と乙の相続のそれぞれにつき承認又は放棄の選択に関して、格別に熟慮し、かつ、承認又は放棄をする機会を保障する趣旨をも有するものと解すべきである。
そうであれば、丙が乙の相続を放棄して、もはや乙の権利義務をなんら承継しなくなった場合には、丙は、この放棄によって乙が有していた甲の相続についての承認又は放棄の選択権を失うことになるのであるから、もはや甲の相続につき承認又は放棄をすることはできない。
丙が乙の相続につき放棄をしていないときは、甲の相続につき放棄をすることができ、かつ、甲の相続につき放棄をしても、それによっては乙の相続につき承認又は放棄をするのに何ら障害にならず、また、その後に丙が先に再転相続人たる地位に基づいて甲の相続につきした放棄の効力がさかのぼって無効になることはない。

遺言執行者の登記手続き(最判平成11年12月16日)

特定の不動産を特定の相続人甲に相続させる趣旨の遺言は、即時の権利移転の効力を有するからといって、当該遺言の内容を具体的に実現するための執行行為が当然に不要になるというものではない。
そして、不動産取引における登記の重要性にかんがみると、相続させる遺言による権利移転について対抗要件を必要とすると解すると否とを問わず、甲に当該不動産の所有権移転登記を取得させることは、民法第1012条第1項にいう「遺言の執行に必要な行為」に当たり、遺言執行者の職務権限に属するものと解するのが相当である。
もっとも、登記実務上、相続させる遺言については、甲が単独で登記申請をすることができるとされているから、当該不動産が被相続人名義である限りは、遺言執行者の職務は顕在化せず、遺言執行者は登記手続をすべき権利も義務も有しない。
しかし、甲への所有権移転登記がされる前に、他の相続人が当該不動産につき自己名義の所有権移転登記を経由したため、遺言の実現が妨害される状態が出現したような場合には、遺言執行者は、遺言執行の一環として、妨害を排除するため、所有権移転登記の抹消登記手続を求めることができ、さらには、甲への真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記手続を求めることもできると解するのが相当である。
この場合には、甲において自ら当該不動産の所有権に基づき同様の登記手続請求をすることができるが、このことは遺言執行者の職務権限に影響を及ぼすものではない。

遺言執行者がいる場合の遺産処分(最判昭和62年4月23日)

遺言者の所有に属する特定の不動産が遺贈された場合には、目的不動産の所有権は遺言者の死亡により遺言がその効力を生ずるのと同時に受遺者に移転するのであるから、受遺者は、遺言執行者かある場合でも、所有権に基づく妨害排除として、不動産について相続人又は第三者のためにされた無効な登記の抹消登記手続を求めることができるものと解するのが相当である。
民法第1013条が規定しているのは、遺言者の意思を尊重すべきものとし、遺言執行者をして遺言の公正な実現を図らせる目的に出たものであり、このような法の趣旨からすると、相続人が、民法第1013条の規定に違反して第三者のため抵当権を設定してその登記をしたとしても、相続人のこの処分行為は無効であり、受遺者は、遺贈による目的不動産の所有権取得を登記なくして第三者に対抗することができるものと解するのが相当である。
そして同条にいう「遺言執行者がある場合」とは、遺言執行者として指定された者が就職を承諾する前をも含むものと解する。

特別失踪(仙台高裁平成2年9月18日)

抗告人は、不在者につき民法第30条第2項所定の適用を求めているが、同条項にいう「死亡の原因たる危難」とは、それに遭遇すると人が死亡する蓋然性が高い事変を指し、これには、火災・地震・暴風・山崩れ・雪崩・洪水等の一般的事変のほか、断崖からの転落・熊等野獣による襲撃等の個人的な遭難が含まれているものと解するを相当とするところ、以上認定にかかる失踪当時及びその前後における不在者の状況・失踪付近現場の地形・気象条件・本件捜索の経緯と状況等を総合考慮するも、不在者が右危難に遭遇したか否か明らかではなく、不在者につき、右危難失踪の原因の存否及び公示催告手続の要否を判断するに当たっては、右のほかにさらに、失踪当時における不在者との交友関係、金銭その他の経済的関係、不在者の勤務会社での勤務状況、特に金銭的、人的関係の状況、勤務会社の支配人としての経営参画の有無、状態、各種保険契約締結の有無、時期、目的とその具体的内容、不在者の家族が未だに同人につき失踪宣告の申立をしていない事情、特に不在者のものと思われる各足跡が発見されたとする根拠、場所付近の地勢等を具体的に示す図面、写真等の資料が不十分であり、前記条項にいう「危難」に遭遇したと認むべきものかどうかの証拠資料等の調査を進める必要があるものと認められる。  

  

特別失踪(旭川家庭裁判所昭和46年9月2日)

不在者は、家族との折り合いも円満で、学校生活にも適応しており、また、心身ともに健康で、自殺あるいは家出等の原因ないし兆候は何ら認められなかった。
不在者は、午後3時30分頃、自宅近くのスキー場にスキーの練習に行くと言って単身で出かけた。当日は朝からの吹雪のため学校の授業は午前中で終わり、午後は自宅にいたのであるが、午後3時30分頃、一時吹雪がおさまったので、近く行なわれる予定であった学校のスキー大会に備えて練習に行くと言って出たものである。
その後再び風雪が強まり、夜に入って猛吹雪になったが、不在者は帰宅しないため、不在者が通学していた学校の職員、警察、申立人の勤務していた会社の職員等の協力を得て、付近一帯の捜索をしたが発見できず、その後、市ならびに陸上自衛隊の支援を得て、7日間にわたり大がかりな捜索を行なったが、何ら手がかりは得られなかった。
また、同年4月の融雪を待って再び関係機関の協力を得て捜索を行なったが、遺体はもちろん、遺留品すら発見できず、生死不明のまま現在に至っている。
不在者が自宅を出た時の服装は、セーターに学生ズボンをはいた上からヤッケを着ているだけの軽装で、特別の防寒具等を着用しておらず、一方、当時の気象状況は、当日の午後3時以降の最低気温がマイナス7.6度、最大風速が24.5メートルなどで断続的に吹雪模様の天候で、地吹雪、瞬間的な風雪の強さなどを考慮すれば、13歳の少年が前記のような服装で戸外にあれば、充分生命に危険のあるものであった。
以上の事実によれば、不在者は死亡の原因となるべき危難にあたる吹雪に遭遇し、その危難が去った以降1年間その生死が文明でなあので、本件申立は理由があるものと認め、公示催告の手続きを経たうえ、不在者の失踪を宣告する。

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