 |
3トン有蓋コンテナ |
1. |
3000形式 |
|
計画当初1トン、3トン、5トンの3案があったが、1トンは戦前のコンテナでの実績から積載効率が低い、5トンは荷役機械とトラックの現状困難があり、車扱い輸送と競合するなどの理由から採用されなかった。
3トンは無蓋車に満載でき、荷役機械、トラックの制約が少ないことと、ドイツ連邦鉄道の3tコンテナが成功を収めていたことなどから3トンに決定した。
1955年10月、2.5t積有蓋コンテナ3000形式(総重量が3tであったため3トンコンテナと称した)を5個試作した。
コンテナの緊締はターンバックル付金具が使用された。
1956年6月から8月まで無蓋車のトラ30000形式(30000、30098)に積載し、汐留・梅田間で試験輸送が開始された。
さらに9月からは笹島・梅田、汐留・笹島間を試験輸送区間に加え、1956年4、5月に試作した車輪付コンテナ5個(内1個は通風形)を使用し、1957年3月まで試験輸送を行った。
1957年4月から汐留・梅田間で集配付で営業開始したが、取引単位に適合しない、軽量貨物(少量、小口混載)は運賃が割高になる、コンテナの個数が少なく利用しづらいなどで、5トンコンテナ登場を前の1959年5月に運用を中止した。 |
|
 |
|
 |
|
3000形式 3001 第1次 オーナー所蔵写真 |
|
3000形式 3006 第2次 車輪付 オーナー所蔵写真 |
|
 |
|
|
|
3000形式 3010 第2次 通風形 車輪付 オーナー所蔵写真 |
|
|
 |
5トン有蓋コンテナ |
1. |
5000形式 |
|
1959年3月に5トンコンテナを試作した。規格は荷重は取引単位5tとし、幅はトラック側板を立てたまま積載できること、高さはトラック積載時に道路輸送の制限高さ(3.5m)以内であること、長さは新幹線で構想されていたコンテナ専用電車の幅に合わせることとした。
また、容積は積載効率を上げるため、当時の15t有蓋車の比容積2.54m3/t(容積37.5m3)の1割増で、船舶の国際規格(2.83m3/t=100ft3/t)ならびにヨーロッパのコンテナ容積を参考に比容積を2.83m3/t(容積14m3)とした。
緊締装置は、アンカーをコンテナ車につけ、緊締金具をコンテナ側につけた半自動式中央緊締方式と、コンテナ脚部の下端をレバーで緊締する方式で各10個試作した。
量産では半自動式中央締結方式のアンカーと緊締装置を入れ替えて取り付けることになった。
片妻開きで鋼製、アルミニウム製、木製の3種類が試作され、同年5月よりチキ5000形式に積載し汐留・梅田間の試験輸送を開始した。
アルミ製はコストが高いこと、木製は鋼製とほぼ同じ重量で、強度が劣るため、量産は鋼製片妻開きとなり、5100〜が東急車輌で、5500〜が富士重工で製作された。 |
|
 |
|
 |
|
5000形式 5664 オーナー所蔵写真 |
|
5000形式 5103 オーナー所蔵写真 |
2. |
6000形式 |
|
1960年に東京(隅田川)・新潟(加茂)、北海道(東札幌)間のコンテナ列車増発にあわせ5000形式の増備として登場した。
|
3. |
7000形式 |
|
1962年には小口貨物の積み合わせ輸送用として、車両に積載したまま積み卸しができる、両側開きタイプが製作された。 |
|
 |
|
 |
|
6000形式 6823 隅田川 |
|
7000形式 7029 オーナー所蔵写真 |
4. |
905、910、915、920、940、945、925形式 |
|
コキ10000形式コンテナ貨車による最高速度100km/hの特別急行貨物列車の運転に先立ち、1965年に各種コンテナを試作した。
5トンコンテナでは905形式(片妻両側開き、クレーン上部吊り、フォーク四方差し)、910形式(片妻開き、クレーン上部吊り)、915形式(両側開き、クレーン上部吊り)、920形式(両側開き、クレーン下部吊り、フォーク四方差し)(以上は後にC90形式に改番)、940(クレーンによる屋根開閉式、片妻開き)、945形式(スライド式屋根、片妻開き)(後にC91形式に改番)が試作された。
2.5トン積みの925形式(後にC99改番)はコキ10000形式に固定装置を取り付け試験を行ったが、試作だけに終わった。 |
|
 |
|
 |
|
905形式 906 三方開き 上部吊り金具 オーナー所蔵写真 |
|
910形式 911 二方開き 上部吊り金具 オーナー所蔵写真 |
|
 |
|
 |
|
920形式 920 汐留 二方開き 下部吊り |
|
940形式 940 屋根開閉式 あおり戸式 オーナー所蔵写真 |
|
 |
|
|
|
925形式 926 隅田川 |
|
|
5. |
C10、C11、C12形式 |
|
1961年に量産が開始され、C10形式(片妻開き、クレーン上部吊り、フォーク二方差し)、C11形式(片妻両側開き、クレーン上部吊り、フォーク二方差し)、C12形式(屋根スライド開閉、片妻開き)が登場した。
C10は後期製造分から標記が簡略されている。また、番号が重複した2個現存があり、改番が行われている。 |
|
z |
|
 |
|
C10形式 C10 6224 隅田川 |
|
C11形式 C11 29 汐留 |
|
 |
|
|
|
C12形式 C12 154 隅田川 |
|
|
6. |
C94形式 |
|
1970年コンテナ及びコンテナ貨車の規格体系の見直しと試作の開発がされた。
この時に総重量制が導入され、5トンコンテナは12ft、10トンコンテナは20ft、15トンコンテナは30ft、20トンコンテナは40ftとなった。
従来の5トンコンテナはISO規格外で、緊締方式なども異なるため、さしあたりISO規格に準じた新5トンコンテナを開発することになり。
パレットサイズ、道路条件をもとにサイズは8ft×7.7ft×8ftとした。
この規格に基づき、1970年に2種規格の5トンコンテナが試作された。
ISO規格1D形に準拠し、従来の5トンコンテナに比べ、長さ、幅を拡大し比容積の増大とともに、一貫輸送用標準パレットであるT11パレット(1100mm×1100mm)を6枚積載できるようにした。
緊締は下部隅金具とし、暫定的にアンカーを設けた。
構造は、片妻開き、上下隅金具付となり、荷役の簡易化のため内部にパレットローダ用レールを設けた。 |
|
 |
|
|
|
C94形式 C94-1 オーナー所蔵写真 |
|
|
7. |
C20形式 |
|
C94形式は1971年よりC20形式として量産開始された。
C20形式では上下隅金具設置は見送られた。
その後C21にも出るチェンジしたが、1977年からは再び増備された。
アンカー取り付け部を強化した30000番台と、妻開き戸開閉装置を両扉に取り付けた40000番台がある。
|
8. |
C21形式 |
|
1974年にC20形式に上隅金具を設け、屋根の2カ所に番号を標記し、コンテナ主要基地でのクレーン荷役移行に対応したC21形が製作されたが、荷役設備が対応できず、その後の増備はC20形式に戻った。 |
|
 |
|
 |
|
C20形式 C20-4 汐留 |
|
C21形式 C21-12896 安治川口 |
9. |
C95形式 |
|
1973年にC21形式をベースに、断熱材を施した簡易保冷タイプが製作された。
従来の冷蔵コンテナは片荷輸送になる傾向があるため、定温輸送貨物だけでなく一般貨物が輸送できる有蓋コンテナとして製作された。
当初200個製作され、最終的に600個製作された。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
10. |
C30、C31形式 |
|
1984年に、トラックに2個積またはコンテナ貨車に積載したまま荷扱いが可能な片妻片側開きが開発された。
C30形式はC20及びC21形式からの改造、C31形式は新製であった。
当初、このコンテナは、専用線などでコンテナ貨車に積載したまま荷役を行うため、常備駅の標記され、運用が限定された |
11. |
C35、C36形式 |
|
1985年に新しい設計に基づき開発された。
塗色を青22号にしイメージチェンジを図るとともに、「コンテナスカイブルーキャンペーン」と名づけコンテナ増送キャンペーンを実施した。
片妻片側開きのC31形式をベースに、コンテナの構造を大幅に見直しを行い製造コスト低減を図った。
妻壁荷重及び床荷重強度を海上コンテナ並みに引き下げ、18項目にわたる変更を行い約25%コスト低減が実現した。
さらに、高さをISO規格の2438mmにし容積を増やしたにもかかわらず、自重はC31形式に比べ約50kg低減した。
1986年には積荷汚損を防ぐため、合板内張りを追加したC36形式が製作された。 |
|
 |
|
|
|
C36形式 C36-863 隅田川 |
|
|
12. |
C40形式 |
|
1987年に嵩高荷物輸送を目的にC31形式の高さを2500mmにし、容積を拡大した。
主にタバコ輸送に充当されていた。
このコンテナのサイズが、後のJR貨物12ftコンテナの標準となった。 |
|
 |
|
|
|
C40形式 C40-82 隅田川 |
|
|
13. |
C93形式 |
|
|
|
1968年にクロスバー交換機輸送用としてが試作された。クロスバー交換機は衝撃に弱く,専用の台車を使用し搬送するため,コンテナの長さが3950mmと長くなり、アンカーを2個つけた。また貨物の特殊性から緩衝荷受け装置を備え,積み卸し作業の関係で、総開式屋根と片側総開き戸構造となり、シャッター付換気用通風口を備えた。3枚屋根で折戸式側扉と、1枚屋根で観音開式側扉が各1個試作された。 |
|
 |
|
 |
|
C93形式 C93 1 クロスバ交換機輸送用 塩浜操 |
|
C93形式 C93 2 クロスバ交換機輸送用 塩浜操 |
|
|
|
|
 |
10トン有蓋コンテナ |
|
|
1. |
C900、901、902、903形式 |
|
|
|
1969年,東海道ライナー用として、ISOの1C形(8ft×8ft×20ft 上下隅金具付き)に準拠した10トンコンテナC900形式(片妻開き)、C901形式(両妻開き)が開発された。1970年にC902形式(開き戸式の両側開き)とC903形式(引き戸式の両側開き)が試作されたが、10トンコンテナは私有化されることになり、量産はされなかった。
|
|
 |
|
 |
|
C900形式 C900-8 隅田川 |
|
C901形式 C901-1 東京貨物ターミナル |
|
 |
|
|
|
C902形式 C902-1 安治川口 |
|
|