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遅い春、芽生えの春

春は、残雪の中から始まりますが時として冬に逆戻りしたような風雪の日も珍しくはありません。日も長くなり陽当たりの良い稜線から雪解けが進みます。降雪があればカンジキなどが必要ですが普段は残雪も締まっていて午前中はツボ足で歩くのに最適です。午後になると雪がゆるむのでカンジキは携行しましょう。残雪に埋まった谷筋や雪の尾根を自分で登路を選定して外輪山の稜線へ登り下りすることが出来るのもこの頃です。花は5月中旬のコメバツガザクラまでみられません。雪が消えると雲雀の声をよく聞くようになります。草木も鳥も命の息吹を感じさせてくれます。また天候が落ち着き残雪を戴く周囲の山々を眺めることができるのもこの季節です。

冬の名残り

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東山山頂です。4月中旬に二日連続の降雪となり7合目で70cmの積雪がありました。東山山頂もこの時期としては例年にない残雪の多さです。山頂標識にも南西側へ大きなエビノシッポが残っていました。しかし雪面は柔らかくなりカンジキに雪ダンゴが付くなど春山の気配は濃厚です。(平成19年4月20日撮影)

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樽前山神社奥宮に詰まった雪です。「厳しい冬」の奥宮の写真と見比べてください。4月中旬に通過した低気圧の風雪によるものです。ものすごい雪量であることわかると思います。(平成19年4月20日撮影)

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ドーム西側から眺める西山の膨大な量の残雪と冬の名残の雪庇です。この日は、左上の垂直の雪壁が堅くアイゼンでも登るのが難しく迂回しました。(平成22年5月5日撮影)

春山の輝く残雪を踏みしめて

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東山稜線の北側斜面でのスナップです。風も弱く暖かい春さながらの陽気です。豊富な残雪を踏んでキックステップで画像右後方の稜線に向かって登りました。(平成19年5月4日撮影)

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西山からドーム西側の雪原を通り外輪北道の尾根から残雪の斜面をカンジキ着けて一気に下り休憩しているところです。4月中旬とはいえ今年は融雪が早く利用できる雪の斜面が2カ所ほどでした。(平成20年4月16日撮影)

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外輪北道から残雪の斜面を下り北側登山道までのトレースです。残雪の上を歩く場合は植物が露出しているところを避けてコース取りをしますので登山道まで雪があるか見極めなければなりません。今年は4月中旬とはいえ残雪が少なく苦労しました。(平成20年4月16日撮影)

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今年は雪解けが遅く西山北東尾根は5月中旬になってもこのような残雪ですが、昼前には雪もゆるみキックステップで雪壁の急斜面の登降が可能になりました。(平成22年5月15日撮影)

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前の画像に続きます。1週間前は登りをやめ迂回した西山北東尾根の雪壁の急斜面をツボ足で下りました。10時を過ぎ雪面も少し柔らかくなっています。(平成22年5月15日撮影)

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西山から東山方向を眺めています。このあと奥宮を経て東山へ歩きましたが奥宮への登りは残雪の上、外輪東道の大部分はすで地面が露出していました。ツボ足で歩くか、カンジキを着けるかその時々の条件で判断するのが春山です。(平成22年5月15日撮影)

残雪豊かな樽前山周辺の山々

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西山から眺める支笏湖北側の山々です。左からフレ岳、小漁山、漁岳、恵庭岳です。また漁岳と恵庭岳の間に狭薄岳のピラミッドが見えます。(平成22年5月15日撮影)

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西山山頂から眺めるオロフレ岳(左)、ホロホロ山(右)です。いずれも雪深い山で、5月下旬とはいえ豊富な残雪で覆われています。(平成22年5月22日撮影)

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西山から眺める白老岳です。右奥にルスツの貫気別山、白老岳との間に昆布岳、白老岳の左奥に真っ白な狩場山も確認できます(平成22年5月15日撮影)

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東山山頂から残雪の羊蹄山を眺めています。右奥に真っ白なニセコの山も見えます。樽前山ではこのほか、奥宮、西山、ドーム西側登山道、932峰などから羊蹄山を眺めることが出来ます。(平成22年5月15日撮影)

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西山から支笏湖北側の山越しに眺める喜茂別岳(左)、無意根山(右)です。積雪の多い山で残雪も豊富です。(平成22年5月15日撮影)

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北側登山道から風不死岳の斜面越しに眺める空沼岳です。(平成22年5月22日撮影)

陽光に雪解けが進む稜線

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西山から奥宮へ行く途中の夏道沿いで雪解け水の大きな水たまりを見つけました。この時期他の山では見られる光景ですが火山礫地のこの付近では水たまりは珍しいものです。雪解けは急速に進んでいます。(平成19年5月4日撮影)

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奥宮近くの残雪から流れ出る水ですが、小さな沢のように流れ出ていました。夏道が二つに分かれて凹地になっているところの下部ですが、積雪量の多さがわかります。この時期だけの現象です。(平成19年5月4日撮影)

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奥宮から眺めた山頂ドームです。例年より雪解けの早い今年は4月半ばながら山頂ドームの周辺や火口原の雪が少なくなっています。(平成20年4月16日撮影)

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932峰の頂上から外輪北道の稜線と山頂ドームを眺めています。
残雪も僅かになりました。例年ならば5月中旬の景色ですが、今年の雪解けの早さがわかります。写真中央部の932分岐があるコルはコメバツガザクラが群生している場所のひとつです。(平成20年4月30日撮影)

待ちわびた春の花と光る緑

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コメバツガザクラです。東山登山道9合目付近で撮影しました。例年5月中旬に満開を迎えますが、今年は月末になってやっと見頃を迎えました。小さく可憐な花ですが私の好きな花のひとつです。
群生地は拡大していると思います。風不死岳分岐付近や932峰東側のコル一帯の群生は見応えがあります。他にドーム西側登山道沿い、西山の尾根など群生地が有ります。(平成22年5月28日撮影)

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コメバツガザクラをズームアップしています。樽前では春から夏へと引き継ぎをする季節の花でが、コメバツガザクラをホームページで紹介をしている人も多いので皆さんに愛されている花だと思います。(平成19年5月23日撮影)

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ミヤマヤナギが春を表現しています。風不死岳分岐の尾根で撮影しました。樹高が20cm程度ですが先には雄花がしっかりと付いています。(平成22年5月22日撮影)

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ミヤマハンノキの花です。東山登山道の森林限界付近で撮影しました。この場所は、所々雪が残っていましたが、木々は芽吹いていました。ミヤマハンノキの力強い一面を見る気がします。(平成19年5月23日撮影)

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ミヤマエンレイソウの蕾です。ヒュッテ前の林の登山道沿いで撮影しました。例年5月中・下旬に見られますが今年は連休明けにこの状態です。雪解けが早かったためと思います。(平成20年5月8日撮影)

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オオバナノエンレイソウの花です。前画像の撮影場所の近くで撮影しました。ミヤマエンレイソウに遅れて咲きますが、白い大きな花が上向きに咲くところがミヤマエンレイソウと違います。ヒュッテの裏の林で数多く見ることができます。(平成20年5月22日撮影)

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例年であれば5月中旬に風不死岳を眺めながら北側登山道を歩けばコメバツガザクラがの花を見ることができますが、雪解けの遅い今年は僅かにミヤマヤナギの緑を見る程度です。(平成22年5月22日撮影)

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5月末になりようやくミヤマヤナギの他にエゾイソツツジやウコンウツギなどの緑が見え始めた北側登山道沿いの情景です。(平成22年5月28日撮影)

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6合目付近林道沿いのシラカバも芽吹きの季節となりました。、例年ならば中旬の情景です。林道が車通行に開放されるまでの間若葉を眺めながらの歩きとなります。(平成22年5月22日撮影)

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シマリスです。ヒュッテの脇で撮影しました。見晴台やヒュッテ前の林などでよく見かけます。

樽前山の今

プロローグ

躍動の夏

色づく秋

厳しい冬

遠景の樽前山