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売買・贈与・財産分与による登記

不動産売買において登記する意義

不動産の売買では通常、売買契約の締結及び代金支払いにより、所有権移転の効力が生じます。

しかし、不動産の所有権が移転した事実は、これを法務局で登記しない限り、当事者(売主)以外の第三者に対して対抗することができません

第三者に対して対抗できない とは次のような意味です。

例えば、ある土地の所有者Aが、Bに対して1,000万円でこれを売却した後、同じ土地をより高額で買い受けると申出たCに対し1,200万円で売却した場合(これを 二重売買 といいます)、仮に、BがCよりも先に、Aに対して代金を支払ったとしても,その後に売買し代金を支払ったCが、Bよりも先に所有権移転登記をすると、BはC(Cは第三者にあたります)に対しては、Aからの所有権の取得を主張できず、Cの所有権の取得が優先するという意味です。

よって、高額な取引になることが多い不動産の売買では、所有権移転登記することは必須といえます。

司法書士の役割

司法書士は、不動産の取引、特に代金決済の場面で、買主名義に確実に所有権移転登記することができることを登記関係書類をもって確認したうえで、買主に代金の支払いをされて差し支えないことをご案内するという、大変重要な役割を担っています。

生前贈与と登記

近年、ご自宅などの居住用不動産について、生前に配偶者や子に名義変更しておきたいとお考えになる方が多くなってきました。

この生前贈与については、居住用不動産贈与に関する配偶者控除 や 相続時精算課税制度 など、税制上の施策によっても促進されているといえます(なお、生前贈与における課税関係の詳細は、お近くの税務署または税理士にご相談頂くことをおすすめします)。

不動産の生前贈与においても、売買と同様の理由から、無用の紛争を防止するため、契約と同時に登記することが必須といえます。

死因贈与と登記

ご自身の相続開始後、不動産を相続人以外の第三者に承継したい場合は、まずは、遺言により 遺贈 しておくことが考えられます。

ただし、遺贈の場合、これを生前に登記しておくことはできず、相続開始後に、遺言執行者または相続人らの協力を得て登記手続きすることになります。

このとき、スムーズに協力が得られればよいのですが、必ずしも協力が得られるとは限りません。

一方、上記目的を達するために 死因贈与 の方法を採る場合は、死因贈与契約と同時に、贈与者の死亡を条件とする所有権移転仮登記 をすることができます。

更に、死因贈与契約を 公正証書 とし、その中で、死因贈与の執行者を受贈者自身とする旨定めておけば、相続開始後に、相続人らの協力を得ることなく、受贈者の単独で仮登記の本登記を行い、所有権を確実にすることができます。

このように、不動産を相続人以外の方に承継させたい場合には、それを実現する方法につき、慎重に検討しておく必要があると思われます。

財産分与と登記

協議離婚をしたときは、婚姻関係中に築いた夫婦の財産について、相手方に 財産分与 を請求することができます。

財産分与の額や方法については、明確な法的基準があるわけではありませんが、以下のような点を斟酌して決定されることになります。

財産分与は夫婦財産の清算を趣旨とすること

離婚後における生活を維持する趣旨があること

有責配偶者に対する慰謝料の趣旨も持ち合わせること

不動産について財産分与する場合は、その旨の登記を行う必要がありますが、住宅ローン等が残っている場合は、離婚成立後の取扱いについて債権者との事前調整など、予め検討調整しておくべき点が少なくありません。

財産分与の請求権は 離婚の時から2年 を経過することで行使できなくなることにも注意が必要です。

1.契約書等の作成

ご相談をお伺いしたうえで、必要な契約書や協議書等の案文を作成し、ご当事者に提示させて頂きます。

契約書等を公正証書とするご希望がある場合は、公証役場との間で文案や日程調整を行います。

2.必要書類の収集

主な必要書類(事案によりこれ以外にも必要書類があります)

登記済権利証または登記識別情報通知書

現在登記名義人となっている方の印鑑証明書(登記申請前3か月以内のもの)

新たに登記名義人となる方の住民票

不動産についての固定資産評価証明書

3.契約・協議の成立

原則として司法書士にて契約や協議にお立会いし、ご本人確認・ご意思確認 させて頂くとともに、契約書や協議書、登記関係書類にご署名捺印を頂きます。

4.登記申請

管轄法務局へ登記申請します。登記完了までは、およそ7日から10日程度かかります(申請時期により変動します)。

登記完了後、登記事項証明書や登記完了証、登記識別情報(以前の登記済権利証にあたる書類)、お預り書類等をお引渡しします。

売買・贈与・財産分与による登記

 
 業務内容 報酬・手数料
(税別)
実費
権利調査・確認 (権利)
335円/1件
(地図)
365円/1件
契約書等の作成 20,000円~
(内容・通数により異なる)
契約・代金決済立会 20,000円~  -
所有権移転登記 40,000円~ 固定資産税評価額の2.0%
(土地の売買については1.5%)
登記事項証明書 500円/1通 500円/1通
添付書類等の代行取得 1,500円~/1通 証明実費
郵送手数料 実費相当額

 
費用算定例

  • 一戸建(土地1筆・建物1棟・固定資産評価額は計1,000万円)を贈与。住所変更なし。
  • 贈与契約書を2通作成し、契約締結に立会い。

実費: 約202,000円
報酬: 約96,000円
合計: 約298,000円(税込表示)


所有者の住所または氏名変更(所有権移転登記と同時申請)

 
 業務内容
(追加業務)
報酬・手数料
(税別)
実費
住民票等の代行取得 1,500円/1通 証明実費
登記名義人表示変更登記 8,000円~ 1,000円/不動産1個

 


ご注意事項

手続費用の種類と内容(実費及び報酬・手数料の内訳)は こちら をご覧ください。

ホームページにおけるご案内は、標準的な事案における手続費用の算定方法または目安をお示しするものです。実際の手続費用は、ご相談事案の難易度や見込まれる手数等を検討考慮し、個別にお見積りさせて頂きます ので、ホームページによるご案内とは異なる場合があります。

手続費用は 税別表示 であり、報酬・手数料に対しては消費税(8%)が加算されます。ただし、一部のご案内(費用算定例など)では税込表示している場合があります。

法的トラブルのご相談や裁判手続きについて、その費用を支払うことが困難な場合は、法テラス(日本司法支援センター)による民事法律扶助を利用して、無料法律相談や手続費用の立替えを受けられる場合があります。この制度を利用するには、法テラスの定める収入・資産要件等を満たす必要があります。詳しくはご相談時におたずねください。

(平成30年9月1日現在)
 

関連情報


法務省民事局-不動産登記-

  • 法務省ホームページによる不動産登記に関する情報です。