国籍とは、国民であること(身分)の認定・登録です。国籍に関する事柄は国籍法に定められています。
日本では、日本国籍を有する者は戸籍に記載されます。戸籍とは日本国民の登録簿であり、家族単位で編製されています。現行の戸籍制度は明治時代に民法に基づいて制定されたもので、それが今も続いています。新たに日本国籍を取得した者は戸籍を作成することになります。戸籍に関する事柄は戸籍法に定められています。
日本国籍を有する者は、日本国民としての権利を有し、義務を負います。
法務省「国籍Q&A」参照
日本では、国籍法で、日本国籍の取得および喪失の原因を定めています。
日本国籍を取得する原因には、出生、届出、帰化の三つがあります。
以下の場合は当然に日本国籍を取得します。
・出生時に父または母が日本国民であるとき
・出生前に死亡した父が死亡時に日本国民であったとき
・日本で生まれ、父母がともに不明のとき、または無国籍のとき
※ただし、ここで言う父または母とは、出生の時点で、法律上の親子関係が成立していなければなりません。婚姻をしていない日本人の父と外国人の母との間に生まれた子供は、母の胎内にいる間に日本人の父から認知されている場合には出生によって日本国籍を取得しますが、出産後に日本人の父が認知した場合には出生のときに法律上の親子関係があったことにはなりませんので、出生によっては日本国籍を取得しません。このような場合は、準正(出生後に父母が婚姻し、父が子を認知すること)による日本国籍の取得を申請することになります。
父母は出生届を出す義務がありますが、仮に出生届が出されていなくとも、条件を満たしていれば実質的には日本国籍を取得しているのですが、公的に認定されていないと、様々な不都合が生じます。
以下の者は国籍取得届を提出すれば日本国籍を取得できます。
・準正(出生後に父母が婚姻し、父が子を認知すること)により嫡出子になった者
・国籍の留保(重国籍の場合に日本国籍を有し続けることを届け出ておくこと)をしなかったことにより国籍を喪失した者で、20歳未満で日本に住んでいる者
・官報による国籍選択の催告を受け、日本国籍を選択しなかったことにより国籍を喪失した者で、日本国籍喪失の事実を知った日から1年以内の者
外国人が帰化申請し、法務大臣の許可によって日本国籍を取得すること。ただし、これは申請すれば必ず日本国籍を取得できるというものではありません。
日本人を父または母にもつ子供は、出生により日本国籍を取得します。しかし場合によっては、日本国籍以外に外国の国籍も取得し重国籍となることがあります。以下の場合は、日本国籍以外に外国の国籍を取得し、日本と外国との重国籍となります。
・父母の国籍に関わらず、その国で生まれたことによりその国の国籍を取得する「生地主義」を取っている国で出生したとき
・日本人と外国人が結婚して子供が生まれたときに、外国人の出身国が、生まれた子供は父または母の本国の国籍を取得する「血統主義」を取っているとき
日本と外国との重国籍となっている場合は、3ヶ月以内に出生届とともに日本の国籍を留保する意思を表示しなければ、出生の日に遡って日本国籍を失うことになります。国籍を失った者がもう一度日本国籍を取得するためには、国籍再取得の届出が必要となります。
重国籍者は、22歳に達するまでに(20歳に達した後に重国籍になった場合は、その後2年以内に)、どちらかの国籍を選択する必要があり、選択しない場合は日本の国籍を失うことがあります。
国籍の選択をしなければならないのは、出生により重国籍になったが日本国籍を留保した者、外国人の父親の認知や外国人との養子縁組または婚姻によって外国の国籍を取得した者、帰化または国籍取得の届出によって日本の国籍を取得したが引き続きそれまでの国籍を保有して重国籍の状態になっている者です。
「生地主義」を取る外国で生まれたことにより、日本と外国との重国籍となっている場合は、3ヶ月以内に出生届とともに日本の国籍を留保する意思を表示しなければ、出生の日に遡って日本国籍を失うことになります。
国籍の留保は、出生届のその他欄に、日本国籍を留保するという内容を記載し署名押印することによって行ないます。
原則として父または母が届け出をします。父母のどちらかが外国人の場合、外国人の父または母が届け出することも可能です。
在外公館の窓口へ直接届け出るか、在外公館または本籍地の市区町村役場に郵送します。
国籍の留保をしなかったことにより日本国籍を失った者で、20歳未満で日本に住所を有する者は、法務大臣へ届け出ることによって日本国籍を取得することができます。
外国で生まれた者や、父または母が外国人である者は、日本国籍のほかに外国国籍も有する重国籍者である可能性があります。
日本の国籍だけではなく外国の国籍を有する重国籍者は、22歳に達するまでに(20歳に達した後に重国籍になった場合は、その後2年以内に)、どちらかの国籍を選択する必要があります。この期限内に選択しない場合は、法務大臣から国籍選択の催告を受け、場合によっては日本国籍を失うことがあります。
国籍の選択をしなければならないのは、出生により重国籍になったが日本国籍を留保した者、外国人の父親の認知や外国人との養子縁組または婚姻によって外国の国籍を取得した者、帰化または国籍取得の届出によって日本の国籍を取得したが引き続きそれまでの国籍を保有して重国籍の状態になっている者です。
国籍の選択は、自己の意思に基づいて、次のいずれかの方法により行なって下さい。
外国の法律に従ってその国の国籍を離脱した場合は、外国国籍喪失届に離脱を証明する書面を添付して、在外公館の窓口へ直接届け出るか、在外公館または本籍地の市区町村役場に郵送します。
「日本の国籍を選択し、外国の国籍を放棄する」という内容の国籍選択届に戸籍謄本を添付して、在外公館の窓口へ直接届け出るか、在外公館または本籍地の市区町村役場に郵送します。
本人または法定代理人(15歳未満である場合)が、住所地を管轄する在外公館および日本の法務局または地方法務局に直接出向いて、戸籍謄本・住所を証明する書面・外国国籍を有することを証する書面を添付して、国籍離脱届を提出します。
外国の法律に従ってその国の国籍を選択した場合は、国籍喪失届に外国国籍を選択したことを証明する書面を添付して、在外公館の窓口へ直接届け出るか、在外公館または本籍地の市区町村役場に郵送します。
法務省「国籍選択について」参照
海外に留学や就職するときや、海外で結婚するときなどに、外国の関係機関に対して書類の提出が必要な場合があります。その場合、外国の関係機関によっては、提出する書類について駐日外国領事による認証を要求する場合があります。
領事認証をしてもらうためには、その前に、外務省(領事局政策課領事サービス室証明班および大阪分室)で、海外で使用される公文書に押印された公印について、公印確認の証明の付与を受けることが必要です。
ハーグ条約(認証不要条約)に加盟している国(地域)に証明書を提出する場合には、原則として領事認証は必要ありません。アポスティーユの付与(署名の真正・文書の署名者の資格・文書に捺印されている印章の同一性につていの証明)がされた書類は、領事認証があるものと同等なものとして使用することが可能になります(加盟国であっても領事認証を必要とする公印確認を要求する機関がありますし、その原文が日本語の場合、外国語翻訳文の添付を求められる場合があります)。
日本の書類へのアポスティーユの付与は、外務省の書類認証課および東京と横浜の公証人役場で受けることができます。
認証が必要な文書が私文書である場合は、まず私文書について公証役場において公証人による公証を受け、さらにその公証人の所属する法務局長による公証人押印証明を受けてから、外務省で認証してもらうことになります。
外務省「各種証明・申請手続きガイド」参照
日本人が仕事や留学などで海外に出かけることが多くなったことで、海外で出生・婚姻・死亡したりすることが増えてきました。
日本人の身分関係(戸籍や国籍)に変動があった場合には、たとえ当事者や届出人が海外にいる場合であっても、届け出が義務付けられており、戸籍に記載されることになっています。戸籍に記載する場合に、その身分関係を公証するために適用する法律や審査手続を、一般的に渉外戸籍と呼んでいます。
戸籍関係で届け出が必要なものとしては、出生届・婚姻届・死亡届・離婚届・認知届・養子縁組届・養子離縁届・外国人との婚姻による氏の変更届などがあります。
国籍関係で届け出が必要なものとしては、国籍選択届・国籍喪失届・国籍離脱届・国籍取得届などがあります。
これらの届け出は、在外公館または本籍地の市区町村役場で行ないます。
海外で子供が生まれた場合は、生まれた日を含めて3ヶ月以内に出生届を届け出る必要があります(日本国内で生まれた場合は14日以内)。
原則として父または母が届け出します。父母のどちらかが外国人の場合、外国人の父または母が届け出することも可能です。
在外公館の窓口へ直接届け出るか、在外公館または本籍地の市区町村役場に郵送します。
届け出に必要な書類は、出生届書および外国官公署発行の出生登録証明書または医師作成の出生証明書の原本とその日本語翻訳文で、それぞれ2通ずつ(新しく本籍を設けるような特別の場合は3通ずつ)提出します。
日本人を父または母にもつ子供は、出生により日本国籍を取得しますが、日本国籍以外に外国の国籍を取得し、日本と外国との重国籍となる場合があります。
重国籍になる場合とは、父母の国籍に関わらず、その国で生まれたことによりその国の国籍を取得する場合(生地主義)と、外国人の父または母の血統により父または母の本国の国籍を取得する場合(血統主義)です。
「生地主義」を取る外国で生まれたことにより、日本と外国との重国籍となっている場合は、3ヶ月以内に出生届とともに日本の国籍を留保する意思を表示しなければ、出生の日に遡って日本国籍を失うことになります。その後に日本国籍を取るには、国籍取得の届出が必要となります。
外国にいる日本人同士が婚姻しようとするときは、結婚した二人が、婚姻届を在外公館の窓口へ直接届け出るか、在外公館または本籍地の市区町村役場に郵送することで、法律上の婚姻が成立します。
届け出に必要な書類は、婚姻届書(証人として成人二人の署名が必要)および双方の戸籍謄本または戸籍抄本です。戸籍の筆頭者であるか、結婚後に新しく戸籍を作成するかどうかにより、2通ないし4通提出します。
法律上の婚姻は、婚姻した国の法律によって成立しますが、婚姻した事実を戸籍に記載する必要がありますので、婚姻が成立した日から3ヶ月以内に、在外公館の窓口へ直接届け出るか、在外公館または本籍地の市区町村役場に郵送する必要があります。
婚姻の手続き・必要書類などについては、あらかじめ結婚する国の関係機関にお問い合わせ下さい。
届け出に必要な書類は、婚姻届書と双方の戸籍謄本または戸籍抄本、および外国官公署発行の婚姻証明書の原本とその日本語翻訳文です。戸籍の筆頭者であるか、結婚後に新しく戸籍を作成するかどうかにより、2通ないし4通提出します。
法律上の婚姻は、婚姻した国の法律によって成立しますが、婚姻した事実を戸籍に記載する必要がありますので、婚姻が成立した日から3ヶ月以内に、在外公館の窓口へ直接届け出るか、在外公館または本籍地の市区町村役場に郵送する必要があります。
婚姻の手続き・必要書類などについては、あらかじめ結婚する国の関係機関にお問い合わせ下さい。
届け出に必要な書類は、婚姻届書と日本人の戸籍謄本または戸籍抄本、および外国官公署発行の婚姻証明書の原本とその日本語翻訳文で、日本人方の本籍と婚姻後の新本籍が同じ場合は2通、異なる場合は3通提出します。
日本人が外国人と婚姻をした場合は、配偶者である日本人の戸籍にその外国人の氏名・生年月日・国籍と婚姻した事実が記載されます(外国人についての戸籍は作られません)。この場合、その日本人が戸籍の筆頭に記載された者でないときは、新戸籍が編製されます。
日本人同士で婚姻した場合、片方が氏を変更してどちらかの氏を名乗ることになりますが、外国人と婚姻しても日本人の氏は変わりません。外国人の氏を名乗りたい場合には、婚姻の日から6ヶ月以内であれば、市区町村役場(戸籍届出窓口)に氏の変更の届け出をすれば、外国人配偶者の氏に変更できます。
婚姻の日から6ヶ月を超えている場合には、家庭裁判所の許可を得た上で、市区町村役場氏の変更の届け出を行なう必要があります。
法務省「国際結婚,海外での出生等に関する戸籍Q&A」参照
外務省「戸籍・国籍関係届の届出について」参照
外国人に戸籍はありませんが、日本で出生や死亡した場合は、戸籍法の適用を受けますので、住所地の市区町村役場(戸籍届出窓口)に、出生届または死亡届を提出する義務があります。この届出書は10年間保存されます。
出生に関する証明書が必要なときは、出生届受理証明書または出生届記載事項証明書を、届け出をした市区町村役場に請求します(手数料が必要です)。
外国人同士が日本で婚姻しようとするときは、市区町村役場に婚姻届を出し、当事者に婚姻の要件が備わっていると認められ、届け出が受理されると、法律上有効な婚姻が成立します。養子縁組や認知もまた、届け出が受理されることで法律上有効なものとして成立します。これらの届け出は義務ではありませんが、届け出ることで法律上の効果(相続など)が受けられるものです。
外国人が婚姻の届け出をするには、婚姻届書のほかに、婚姻要件具備証明書とその日本語翻訳文(もしくはそれらに代わる書類)が必要です。
届け出が受理されると、日本人の場合は戸籍に記載されますが、外国人には戸籍がありませんので、その代わりに届書が50年間保存されます。
これらの届け出に関する証明書が必要なときは、届書の受理証明書または記載事項証明書を届出をした市区町村役場に請求します(手数料が必要です)。
外国人が、市区町村役場に婚姻届を出して法律上有効な婚姻を成立させるためには、外国人の本国の法律が定めている婚姻の成立要件(婚姻適齢・独身など)を満たしていることが必要です。婚姻届を出すためには、このことを証明しなければなりません。
婚姻要件具備証明書とは、婚姻をしようとする外国人の本国の大使・公使・領事など権限を持っている者が本国法上その婚姻に必要な要件を備えていることを証明する書面です(国によってはこれらの証明書を発行していないところもあります)。
婚姻要件具備証明書を発行する制度がない国の場合は、婚姻要件具備証明書に代わる書類が必要です。たとえば、日本に駐在する本国の領事の前で、本国の法律で定める結婚年齢に達していること、日本人との結婚について法律上の障害がないことを宣誓し、領事が署名した宣誓書などが、それに当たります。それらの書類が入手できた場合は、その日本語翻訳文を添付して、婚姻要件具備証明書に代えて提出することになります。
婚姻要件具備証明書や、これに代わる証明書が提出できない場合は、外国人の本国の法律の写し・パスポートなどの身分証明書・本国の公的機関が発行した出生証明書など(すべてに日本語翻訳文を添付)で証明します。
ビザとは、日本に入国しようとする外国人の所持するパスポートが有効なものであり、ビザに記載されている条件での日本入国および滞在が差し支えないとする在外公館の認定証です。
ビザには、外交・公用・就業・一般・短期滞在・通過・特定査証の7区分があり、入国目的に応じていずれかのビザが発給されます。
1回限り有効、2回有効、数次有効の3種類があり、それぞれ有効期間が定められています。数次査証は、日本と外国との間で相互取り決めがある場合に発給されています。
日本に入国しようとする外国人は、パスポートの発給を受け、原則として在外公館(日本領事館など)でビザを取得する必要があります。
例外的にビザの取得が免除される場合があります。
日本は短期の滞在(おおむね3ヶ月ないし90日以内の入国・在留)について、約60ヶ国と相互にビザの取得免除措置を実施しています。
再入国許可を得ている場合も、ビザの取得は不要です。
日本に入国しようとする外国人は、到着した空港または海港で、入国審査官に上陸申請を行ないます。入国審査官によるパスポートの有効性・ビザの有効性・入国目的・滞在予定期間などの審査を受け、すべての要件が入管法に定められた上陸条件に合致すると、入国が認められます。
ビザに基づいて入国後の在留資格や在留期間を定めた上陸許可を得るのですが、ビザを取得した(免除されている)からといってそれだけで日本に入国できるわけではなく、入国するには上陸許可を得る必要があります。ビザの発給は在外公館(外務省)の管轄であり、上陸許可は入国審査官(法務省)の管轄で全く別の制度です。
上陸許可を得ると、入国審査官によってパスポートに上陸許可証印が押印されます。上陸許可証印には、在留資格と、在留期間のほか、上陸許可年月日・上陸港名が表示されます。
在留資格には、外国人が日本で行なう活動に基づく在留資格23種類と、外国人の日本での身分または地位に基づく在留資格4種類の、合わせて27種類があります。
ビザ(査証)の7区分(外交・公用・就業・一般・短期滞在・通過・特定)に対応して、活動に基づく在留資格23種類と、身分または地位に基づく在留資格4種類のうちの3種類が決められます。永住者の資格のみはビザと関係なく与えられます。
ビザは上陸許可の前提として入国時に限って必要な在留資格であり、入国後の在留資格を証明するものはパスポートに押された上陸許可証印あるいは外国人登録証明書になります。
活動に基づく在留資格には、資格に定められた範囲内での就労が可能なもの、原則として就労が認められていないもの、就労が認められるかどうかはそれぞれの許可内容によるものがあります。
・外交ビザ
外交(外交活動を行なう期間)
・公用ビザ
公用(公用活動を行なう期間)
・就業ビザ(14種類、それぞれの在留資格に定められた範囲内での就労が可能)
教授(3年または1年)
芸術(3年または1年)
宗教(3年または1年)
報道(3年または1年)
投資・経営(3年または1年)
法律・会計業務(3年または1年)
医療(3年または1年)
研究(3年または1年)
教育(3年または1年)
技術(3年または1年)
人文知識・国際業務(3年または1年)
企業内転勤(3年または1年)
技能(3年または1年)
興行(1年、6ヶ月または3ヶ月)
・一般ビザ(5種類、原則として就労が認められていない在留資格。留学・就学・家族滞在の在留資格の外国人資格外活動の許可を受ければ、条件付で就労可能)
文化活動(1年または6月)
留学(2年または1年)
就学(1年または6月)
研修(1年または6月)
家族滞在(3年、2年、1年、6ヶ月または3ヶ月)
・短期滞在ビザ
短期滞在(90日または15日)
・通過ビザ
短期滞在(15日)
・特定ビザ(就労が認められるかどうかはそれぞれの許可内容による)
特定活動(3年、1年、6ヶ月または1年以内の指定期間)
身分または地位に基づく在留資格は、日本での活動に制限がありません。
・ビザとは関係なく与えられる在留資格
永住者(無期限)
・特定ビザ(3種類)
日本人の配偶者等(3年または1年)
永住者の配偶者等(3年または1年)
定住者(3年または1年、法務大臣が指定する期間)
外国人が日本に入国するには、在外公館でビザの発給を申請し、入国時に入国審査官の上陸審査を受けることになります。
ビザの発給と上陸許可手続きの簡易化・迅速化及び効率化を図ることを目的にしたものが在留資格認定証明書の制度です。
外国人が短期滞在以外の目的で日本に在留しようとする場合は、あらかじめ入国前に在留資格に該当しているか審査し、在留資格のいずれかに該当すると認められれば、それを証明する在留資格認定証明書の交付を申請することができます。
在留資格認定証明書は、外国に住む外国人を日本国内で雇用する場合、外国人の配偶者を日本に呼び寄せる場合などに利用されています。
在留資格認定証明書を提示すれば、すでに事前審査を終えているものとして比較的簡単・迅速にビザや上陸許可が得られるようになります。不法滞在などの事例が増加していることから、外国人の査証手続や上陸審査が年々厳しくなってきていますが、入国前に在留資格認定証明書を取っておけばスムーズに入国できます。
高坂行政書士事務所「在留資格認定証明書交付申請」参照
就労ビザとは、外国人が日本で仕事をするために必要なビザのことです。14分野あり、それぞれの在留資格に定められた範囲内での就労が可能になります(入国後に与えられる「技術」「人文知識・国際業務」などの在留資格も、就労ビザと呼ばれることがあります)。
就労ビザ(就労可能な在留資格)がないのに日本で働けば不法就労となり、摘発を受ければ本人や雇用主は処罰されます。退去強制事由に当たりますので、強制送還させられることもあります。
外国人を日本に招いて雇うためには、在留資格認定証明書交付申請を行なうことになります。すでに日本に居住している外国人留学生などが就職しようとする場合は、在留資格の変更申請を行ないます。
高坂行政書士事務所「在留資格認定証明書交付申請」参照
高坂行政書士事務所「在留資格変更許可申請」参照
興行ビザとは、外国人が日本で演劇・演芸・演奏・スポ―ツなどの興行やその他の芸能活動を行なうために必要な就業ビザの一つです(入国後に与えられる「興行」という在留資格も興行ビザと呼ばれることがあります)。外国人を日本に招いて雇うためには、在留資格認定証明書交付申請を行なうことになります。
取得するためには、申請人は、公的な資格を取得している、2年以上の専門教育を受けている、2年以上の実演経験がある、のいずれかに該当している必要があります。
招聘する日本側のプロモーターについても、外国料理店で民族的な歌謡・舞踊・演奏を行なっている場合を除き、経営者の業務経験年数や職員の人員数、施設などについての基準を満たす必要があります。その他、興行ビザで働く外国人には月額20万円以上の報酬を支払うことと定められています。
興行ビザで働く外国人が客の接待に当たるような恐れがある場合や、経営者や職員が売春防止法や風営法などに違反歴があるなどの場合は、興行ビザの取得は認められません。
高坂行政書士事務所「在留資格認定証明書交付申請」参照
俗に言う結婚ビザとは、「日本人の配偶者等」という条件に該当する外国人が取得する特定ビザのことです(入国後に与えられる「日本人の配偶者等」という在留資格も、結婚ビザと呼ばれることがあります)。国際結婚した外国人配偶者を呼び寄せ日本で一緒に暮らすためには、このビザが必要になります。
取得するためには、法的に正式に婚姻する必要があり、内縁関係では結婚ビザは取得できません。婚姻後に、日本人配偶者が管轄の地方入国管理局で「日本人の配偶者等」の在留資格認定証明書交付申請を行ないます。証明書が交付されれば、本国の外国人配偶者に送付し、外国人配偶者は在留資格認定証明書に必要書類を添付して在外公館(日本領事館など)に結婚ビザの申請します。ビザが発給されれば、証明書の発行日から3ヶ月以内に日本に入国する必要があります。
結婚ビザを取得すると、日本での活動(就労)に制限がなくなります。ただし在留期間は3年または1年となっていますので、定期的に更新しなければオーバーステイになりますので、注意が必要です。
就労のために偽装婚をして結婚ビザを取得することは公正証書原本不実記載罪に当たり、日本人・外国人の双方が処罰されます。
高坂行政書士事務所「在留資格認定証明書交付申請」参照
高坂行政書士事務所「在留資格変更許可申請」参照
外国人を雇用しようとしても、法的に見てその外国人に就労する資格があるのか、また従事させたい特定の職種に就労可能かどうかについて、雇用者には簡単には確認することができません。
そこで、その者が行なうことができる就労活動を証明し、どのような就労活動を行なうことができるのか簡単に確認できるようにするのが就労資格証明書の制度です。
ただし、就労資格証明書は、外国人が就労活動を行なうことを法的に保証するものではありません。就労資格証明書には証明書が交付された時点以降に事情が変化していたとしても記載されていませんので、就職・雇用の時点でのその外国人の法的身分が変わっているかもしれないからです。就労資格証明書は就労・雇用に必ず必要なものではありませんが、一般的には就労資格証明書があれば、外国人にとっては就職が有利になり、雇用者にとっては安心して採用することができます。
高坂行政書士事務所「就労資格証明書交付申請」参照
日本に在留する外国人の在留資格は27種類あり、入管法で在留資格それぞれについて日本で行なうことができる活動が定められています。
現在の在留資格の範囲ではない、収入を伴う活動を行なおうとする場合は、資格外活動許可を受けなければなりません。この許可は、本来の在留資格の活動の妨げにならない範囲で与えられるものです。留学生の在留資格は留学あるいは就学なので、原則として働くことは許可されていませんので、アルバイトをするためには資格外活動の許可を得る必要があります。
なお、本来の在留目的の活動を変更して、別の在留資格に属する活動を行なおうとする場合には、資格外活動の許可ではなく、在留資格の変更が必要になります。
高坂行政書士事務所「資格外活動許可申請」参照
ビザ・在留期間が切れているのにも関わらず、日本に超過滞在していることをオーバーステイと言います。「不法残留」「不法滞在」とも呼ばれます。
もともと適切な在留資格を得ていたが、在留期間の満了後も日本に滞在している不法残留の場合だけでなく、偽造パスポートを使用した入国や密入国などの「不法入国」の場合も、オーバーステイと呼ぶことがあります。
オーバーステイは退去強制事由に当たりますので、見つかれば強制送還させられることもあります。
入国管理局(法務大臣)の許可を得ないで働くことです。短期滞在ビザて入国した者やオーバーステイの者は勿論、原則として就労が認められていない留学生などが資格外活動の許可を受けずに働くことは、不法就労になります。
就労ビザ(就労可能な在留資格)を得ていたとしても、就労ビザに定められた活動範囲に入っていない仕事を資格外活動の許可を受けずに行なえば、不法就労になります。
摘発を受ければ、本人や雇用主は処罰されます。退去強制事由に当たりますので、強制送還させられることもあります。
平成16年の入管法の一部改正において、創設された制度です。
偽りその他不正の手段に拠ったり、日本での活動の内容を偽ったり、不正な手段で上陸許可を受けた外国人は、在留資格の取消し処分を受けます。
在留資格の取消しに当たっては、事前に対象となる外国人から意見を聴取することとされています。
1、上陸拒否事由に該当していることを偽って上陸許可を受けた場合
2、日本で行なおうとしている活動の内容を偽って上陸許可を受けた場合
3、資格・経歴などを偽って、日本で行なおうとしている活動についての上陸許可を受けた場合
4、申請人以外の者が、虚偽の書類を提出して上陸許可を受けた場合
5、活動に基づく在留資格を受けた者が、正当な理由なく、現在の在留資格に関わる活動を、継続して3ヶ月以上行なっていない場合
1と2の理由で在留資格を取り消された場合には、直ちに退去強制の対象となります。
3、4、5の理由で在留資格を取り消された場合には、30日以内の出国猶予期間内に自主出国する必要があります。指定された期間内に出国しなければ、退去強制や刑事罰の対象になります。
入国管理局「在留資格の取消し」参照
日本人や永住者と外国人が結婚しようとするとき、外国人がオーバーステイだったとしても、結婚することは可能です(ただし手続きは難しくはなります)。しかし、結婚してもオーバーステイであることには変わりがなく、その後の日本在留は保障されません。
オーバーステイや不法入国など正規の在留資格を持たず、退去強制事由に該当する外国人が、日本人と結婚しているなど、日本に在留するに足りる特別な事情を訴えて認められた場合に特別に許可される制度が、在留特別許可です。
在留特別許可は、もとがオーバーステイなどという違法な事態から始まるものであり、申請ではなく願い出というべきものです。退去強制(強制送還)の手続きの中で特例として認められるものであり、許可されるかどうかは法務大臣の裁量になっています。
高坂行政書士事務所「在留特別許可」参照
日本に在留している外国人が、里帰りや旅行などで一時的に出国し、再び日本で在留するために入国しようとする場合に、入国や上陸手続を簡略化するために法務大臣が出国に先立って与える許可のことです。
日本に在留している外国人が再入国許可を受けずに出国した場合には、それまで持っていた在留資格および在留期間は消滅してしまいますので、再び日本に入国しようとする場合には、改めてビザを取得した上で上陸申請を行ない、上陸許可を受ける必要があります。
これに対して、出国前にあらかじめ再入国許可を受けておくと、再入国に際して許可の有効期間内であれば、新ためてビザを取得する必要はなく、通常の上陸手続よりも簡単な審査で入国することができます。再入国許可の有効期間は、3年(特別永住者は4年)を超えない範囲内で定められます。ただし在留期間を越えて許可されることはありませんので、在留期間が迫ってきている方は、まず在留期間更新許可申請を終えてから再入国許可申請を行なう必要があります。
再入国許可を受けておくと、それまでの在留資格および在留期間が継続しているものとみなされます。永住権取得や日本への帰化を考えている方は、原則として10年以上継続して在留していることが要件となっていますので、一時的に出国するときは、必ず再入国許可を得るようにして下さい。
再入国許可を受けておくと、外国人登録についても帰国後に新規登録する必要はありません。外国人登録証明書も入国審査官に返納することなく、所持したまま出国することになります。
再入国許可を受けて出国した外国人が、有効期間内に再入国しない場合は、再入国許可は失効します。有効期間内に日本に戻るようにして下さい。
再入国許可は、1回限り有効の許可(SINGLE)だけではなく、有効期間内であれば何回も使用できる数次再入国許可(MULTIPLE)を申請することもできます。
短期滞在で来日している外国人は、特別な事情がある場合を除いて、再入国許可を得ることはできません。
高坂行政書士事務所「再入国許可申請」参照
日本に在留する外国人は、日本で合法的に行なえる活動の範囲と期間(在留資格と在留期間)が定められており、その範囲を超えて活動し、その期間を超えて在留することは禁止されています。
パスポートに押印された上陸許可証印には、在留資格と、在留期間のほか、上陸許可年月日・上陸港名が表示されています。
日本に在留する外国人はパスポートを常時携帯する義務があります。警察官など権限のある公務員が、在留の合法性や在留資格・在留期間に違反していないか調査するために、パスポートの提示を求めた場合は、それに応じなければなりません。
ただし、外国人登録しており、外国人登録証明書(氏名・生年月日・性別・国籍・居住地・在留の資格・在留の期間などが記載されています)を携帯している場合は、パスポートを携帯する必要はありません(パスポートの代わりに外国人登録証明書を常時携帯することが必要です)。
パスポートの携帯・提示義務に違反した場合は、10万円以下の罰金または10万円以下の過料(特別永住者の場合)に処せられます。
外務省「日本国査証(ビザ)案内」参照
外国人は、日本に生まれ育ったとしても、戸籍や住民票がありません。戸籍や住民票を持たない外国人が行なわなければならないものが、外国人登録です。
日本に90日以上在留する外国人は、外国人登録が義務づけられています。日本で生まれた場合・日本国籍を離脱(喪失)した場合は、60日以内にする必要があります。
外国人登録をすれば、住所を証明する書面(登録原票記載事項証明書)の発行や、印鑑登録して印鑑証明書を取ることができるようになります。また、日本人と同じように国民健康保険に加入することが可能になります。
外国人登録をすると、申請してから2週間程度で外国人登録証明書が発行されます。
16歳以上の外国人が外出する時には、パスポートの代わりに外国人登録証を携帯することが義務づけられています。警察官など権限のある公務員に外国人登録証明書の提示を求められれば、応じる義務があります。
携帯・提示義務に違反した場合は、20万円以下の罰金または10万円以下の過料(特別永住者の場合)に処せられます。
高坂行政書士事務所「外国人登録」参照
出入国審査・在留審査・海港業務・退去強制(収容送還)業務などの出入国管理行政を行なう法務省の機関です。札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・高松・福岡に地方入国管理局、成田空港・中部空港・関西空港と横浜・神戸・那覇に支局があります。その他に出張所が全国に設けられています。
京都府には、京都市内の川端丸太町にある京都第二地方合同庁舎と舞鶴港に出張所があります。
法務省「入国管理局ホームページ」参照
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