オガライト

オガライトのContents
      @ オガライト一般  オガライトとは・・・
      A オガライトの種類&製造風景
      B オガ炭の性状
    C オガ炭の製造・出炭風景          
      D オガライト工場のフローチャート




     




    オガライト一般
     オガライトとは、オガ粉(木粉)を乾燥後棒状に加熱圧縮成型
    した、人工の薪のことです。
    主に一般家庭の風呂炊きの燃料として使用されてきました。
    昭和40年〜昭和50年頃が最盛期で、爺も全国の組合の理事の
    一人でしたので、少しの述べますと、
    組合名は、全国オガライト協同組合、その後、日本木質成形燃料
    協同組合となりました。

    その組合員数、全国で830余軒、非組合員のアウトサイダーも
    入れると、1000軒以上もあり、年一回の熱海での総会は
    大変賑やかなものだったよ。
    昭和50年頃をピークに、流体燃料(灯油、ガス)に徐々に侵食
    され、また、太陽熱 の湯沸かし器、深夜電気の温水ボイラー
    に駆逐され、次々と廃業して行き、現在 では全国で、
    ほそぼそとでも稼動してるのは、20軒もないでしょう。 
    その殆んどが、人工の薪として販売するのでなく、オガライトを
    人工の原木として、炭窯で炭化し、オガ炭として製造販売して
    おり、オガライトのみを製造していても、オガ炭屋さんに、
    原木として販売している、何らかのつながりがある方ばかりと
    言っていいでしょう。                           
         
     組合長は、静岡県島田市の柴田竹治(故人)さん、
    この方は大変熱心な人で、爺は清水の次郎長親分にちなんで、
    次郎長さんと呼んでいました。

     
次郎長さんが年々減少する売り上げ、組合員を心配し全国の
    組合員に
「オガライトの火を消すなと呼びかけたんや、
    爺も兄が余りにも哀れな死に方をしたので、爺の目の黒い内は、
    少なくとも現役で仕事をしているうちは絶対に止めないぞと、
    決心していたので、これに呼応したんや。

    しかしなあ、時代の流れには勝てんもんや、残念ながら、組合は
    解散したのだが、最後の組合登記抹消手続きの会議に
    出席した理事はたったの二人,本当に寂しかったよ・・・。
    「一つの時代が終わったなあ・・・」と、あの時,つくづく痛感したよ。
    でものお、爺は理事の生き残りの一人として声を大にして言うよ。
     「オガライトというバイオマス燃料の果たした役割はものすごく
    大きなものがあるよ」
と。
    列島改造論にのっとって、好景気な当時、ひきまくる製材から発 
    生するオガ粉の処理法を思わずして、
    戦後の住宅事情発展を語り得ないとです。
    あり余るオガ粉をオガライトという形にして市場に捨て、
    処理をしたのですから、
    爺とこでもな、燃料問屋さんに月何千束以上の引取りには
    小判(金)を付けますと景品までつけ処理したこともあるんやで。
    もし戦後の燃料事情を考えるとき、灰になったオガライト分を
    山の木でまかなっていたら、
    今の山はハゲ山ばかりだろうなあ・・・
    ほんま、爺の兄らは列島改造の犠牲者といっていいだろうなあ、
    悔しいが・・・・

    製材が減少し、オガ粉の発生量が少なくなった現在、隔世の感
    があり、あの当時の事は想像もできないほど、
    遠い遠い昔のことになってしまったですね。

    今年(H17)の正月、炭関係の老先生から、
     「歴史はくり返す、オガライトが時代の先端となってきました。
    再協会発足といかないかね、世界一のオガ白炭頑張って
    ください」
     との添え書きのある、嬉しい年賀状を頂きました。
    昨年秋(H16)中国の木炭全面輸出禁止令発令を受けての
    年賀状でしょう。
    爺もな、全国にもう一度オガライトの火が赤々と燃え上がれば
    どんなに嬉しいだろうと思うよ。
    しかし輸出禁止にもかかわらず、密輸があり、中国燃料商社
    からの売り込みもあり、相も変わらず、輸入され,
    それほど不足感はないよ。

    それになあ、日本国内の燃料商社が中国や東南アジアに
    オガ炭工場を建設せんと、どんどん進出してるよ。
    いずれ安いオガ炭が今以上に輸入されて来る事でしょう。
    国内で炭が不足するとの推測から、誰かオガ炭工場建設を
    計画するかも知れません、
    しかし、人工の
として、オガライトを製造することは、
    機械設備が完成すれば、誰でも直ぐにできるでしょうよ・・・、
    でもオガ炭の原木として求められる
硬質のオガライトを作る
    には技術が必要で、そう簡単に誰もが出来るものではないし、
    工場が出来て製品を市場に出しても、品質が悪く、
    東南アジアのオガ炭と同列のものと、
    扱われ泣く事になるだろうよ。
    現在生き残っているオガライト屋、オガ炭屋さんは、
    それどれに必死になって独自の
    技術を磨き、それを持っている方ばかりですよ。
    そうでなきゃあ生き残れなかったのですから。
    爺の夢、全国にオガライトの火が赤々と燃え上がるのは、
    夢のまた夢,浪速の夢でしょうよ・・・。

    ただ生炭者として一言いわせてもらえば、日中友好、中日友好を
    いうのなら日本の治山治水の総元締め林野庁は、
     中国からの木質系炭の全面輸入禁止
    というセーフガードを何故発令しないのでしょうかね。
    セーフガードじゃないよな、中国のためを思ってやるのですから、
    そうすれば、一気に日本の山は活気付くでしょう。
    爺が
木質系炭と書き込んだ意味は、オガ炭、活性炭をも
    含みなさいよとのことです。
    オガライトは本来人工の薪として開発されたものです、
    中国政府が木炭全面輸出禁止を打ち出したが、
    その理由は中国国内の森林率低下をあげています。
    日本の戦後の燃料分野に於いて、オガライトが多大の
    貢献があったことを書き込みましたが、
    本当に中国政府が森林増加を考えているなら、伐採禁止令、
    輸出禁止令の上に、オガ炭をも輸出禁止とし、
    オガライトを薪として、中国国内の郡部の一般家庭の煮炊き、
    暖房用に回さない限り、到底森林率増加目標の達成は無理な
    ことでしょうよ。
    あれだけの人が居るのですから・・・・。
    植林した尻から、それと同程度量以上の木が切られ、
    燃やされていくでしょうね。
    こんな事を書くと、国内の燃料商社、特に中国に進出している
    企業からは、猛烈な反発を食らうことになるだろうなあ・・・。

    でものお、オガ粉を木そのものと受け止めている爺は、
    木材の輸入国中国から、これからも長年に亘って、
    木質系の炭がどんどん輸出してくるとは、思えないし、
    もっと簡単にいえば、バブルが弾けたんだと、輸出禁止令に
    至った裏事情を推測し、燃料輸入商社は、
    それを真摯に受け止め、オガ炭が輸出禁止品目から
    除外されているからと、中国に進出するとの
直近の対策
    走らず、これからの
長い年月に亘っての対策をとるべき
    でしょう。
    少々へそ曲がりで、向こう意気の強い、生意気な爺、
    その内に・・・、中国本土の、林業行政の関係者に向かって、
    現在のとんでもない武器、
    メールという
矢文をぐっさりと射こんでやろかい。

    ちょうと回り道し過ぎてきたようですね、また述べることとして、
    このコーナーに書こうとしていた本題、
     オガライトの紹介、爺のアイディア、技術開発
    戻ることとします。