◆日産ディーゼル U-UA系(8気筒エンジン車)
左側面 右側面
鹿児島交通 U-UA510LAN

<概要>
 平成元年排出ガス規制(U-)適合の日産ディーゼル製大型バスで、1990〜1995年に製造された。
富士重工製の車体を架装した場合、R17型ボディー(7E,7B)が架装される。他の車体架装例には西工がある。

 日産ディーゼルの路線用大型バスは、昭和54年排出ガス適合時以降、K-U(UA)31*に統一され
高出力エンジンと低出力エンジンの設定はなくなった。
その後、1988年にP-U(UA)33系が発売された際、高出力車の設定が復活した。
これがP-UA50*である。
その後、平成元年規制にあわせてU-UA510/520系に変更されている。

 しかし、カタログ上では同じUAシリーズに位置付けられているが、その仕様は全く異なる。
即ち、通常のP-U(UA)33U-UA440が直列6気筒エンジンを搭載するのに対し、
こちらは貸切車と同じV型8気筒エンジンを搭載している。
その関係で、エンジンの配置も異なり、車内後方のエンジン部の張り出しが、三菱車並に大きい。

 また、リーフサスの設定がない点や、短尺(4.7m)の設定がないかわりに、
特大サイズ(WB6.0mおよび6.5m)が設けられるなどの点でも異なっている。

 さて、このように登場したP-UA〜U-UAの高出力車であるが、一般路線車としての位置付けながら
実際には、貸切車や自家用車、中長距離路線車での採用例が大半を占める。
 従ってその多くは、富士7Bを架装し、7Eの架装例はP-UA50では1台を確認したのみ、
U-UA510/520でも、路線用の自社発注車は、いわさきグループの鹿児島交通と奄美交通だけである。
なお、他に自家用車での採用例が存在する。

<7E架装車の特徴>
・エンジン開口部は、縦長で右下の角が斜めに切り取られている。
 但し、宮城交通に在籍する車両(もとサンプルカー)は、
 ほぼ正方形で右下の角が斜めに切り取られた形状のメッシュ状の開口部である。
・リヤのナンバーステーは標準タイプが車体中心に付く。
・給水口の位置はリヤ窓の直下にある。

宮城交通UA510
もとサンプルカーの宮城交通U-UA510LANはメッシュ状の開口部を持つ。

<型式内容>
 1990年(U-)以降〜現在に登場した型式で使用されている型式基準で、中型のRM、RN、RP、JM、JP等と同様である。
(1)はエンジン配置とフレームの有無、(2)は車種を表し、この二つを合わせたものが通称で呼ばれることが多い。
(3)はエンジン型式、(4)は車種またはエンジン単位での使用変更順位をあらわしている。
(5)は軸距である。軸居6.0m以上の設定もあるが、7E架装車は存在しない。
(6)はサスペンションで、エアサス(A)のみが設定されている。
(7)はブレーキで、路線バス系車輛は基本的にNのみである。

U- U A 51 0 L A N
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7)
意味 当系列の適用例 他系列の適用例(参考)
排出ガス規制 U=平成元年規制  
(1) エンジン配置
フレーム
U=リヤアンダー E=ミッドシップ
R=リヤ(フレームレス)
J=リヤ(フレーム付)
(2) 車種 A=大型 N=小型
M=中型
P=9m大型、中型ベースの大型
(3)
(4)
エンジン
仕様変更順位
510=RE8 (高出力 8気筒) 440=PF6 (標準出力 6気筒)
(5) 軸距 L=5.00〜5.24m(5.24m)
N=5.50〜5.74m(5.55m)
H=4.50〜4.74m(4.72m)
(6) サスペンション A=車軸式エアサス
S=リーフサス
B=独立式エアサス
C=低床エアサス
T=低床リーフサス
(7) ブレーキ N=空気油圧複合式  

<U-UA510 + 7E 採用事業者>
事業者名型式扉配置窓形状導入数備考
鹿児島交通
奄美交通
U-UA510LAN折――メトロ5
3
共に いわさきグループ
奄美交通の車両は同社事業撤退に伴い道の島交通に移管。
(サンプルカー)U-UA510LAN折引―2段1宮城交通に移籍。
(千葉県内の自家用)U-UA510LAN折――メトロ1(→大阪府内の教習車)
(千葉県内の自家用)U-UA510LAN折――メトロ1サブエンジンクーラー
(自家用)U-UA510LAN折引―2段2琉球バス(→琉球バス交通)に1台が移籍
(茨城県内?の自家用)U-UA510LAN折――2段2(→鹿児島県内の自家用)。サブエンジンクーラー

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