遊 旅人の 旅日記
能生から青海町へ(本日の画像は日記と関連有りません) |
AM 5:20 出発。昨日と同じように<久比岐自転車歩行者道>を歩く。 今日も天気は良い。青い海と空が広がっている。このあたりからは海上に能登半島が見えてくると言う。佐渡島は秋の天気の良い日に見えることがあると言う。 川を渡る。遠く妙高山あたりから流れてくる水であろうかきれいな水が流れている。川面を渡ってくる風もすがすがしい。橋の上から遥か上流を見ると、上越の山並みが見える。 一時間ほど歩くと集落があり小さな公園で、子供とお母さん達が元気にラジオ体操をやっている。夏休みの朝の風景だ。毎朝のラジオ体操は、隣近所、地域の人々の確認の場にもなる。良い習慣である。 朝のすがすがしい空気の中、草の香りが漂っている。夏の香りである。しばらく歩くと道は海岸線に出る。東屋のある休憩所で小休止。 海を眺めていると、数人の高校生が自転車で猛烈なスピードで走ってゆく。暫くすると今度は野球のユニフォームを着た中学生くらいの男の子共達が元気よく大きな声で「おはようございます!」と挨拶をして走ってゆく。高校生も中学生も朝練のようだ。次には、小学校低学年と思われる女の子供達がやはり自転車に乗り、かわいい声で元気よく挨拶をして通り過ぎて行く。皆元気一杯だ。 子供達に爽やかさと元気をもらい歩き出す。 糸魚川に入りしばらく行くと、<仲宿駐輪場>と言うところに着く。<久比岐自転車歩行車道>の終点である。広い駐輪スペースが設けられている。リュックを下ろし ふと横を見ると川がある。<早川>と書かれている。曾良日記に「早川ニテ翁ツマヅカレテ衣類濡、川原暫干ス」と書かれている早川である。橋の下流100mほどで海になる。水は少なく川原になっている。芭蕉の歩いた頃は橋がなく、道は川原の中を通っており、川を渡るには大きな石の上を歩いて渡ったのだろう。その石に芭蕉は躓いて転んだのであろうか、衣類が濡れ川原で乾かしたと書いている。衣類が濡れるのはかまわないが、足を捻挫でもしたら大変である。 駐輪場の傍にある松林では蝉が地上での短い生命を惜しむように、精一杯鳴いている。 少し風が出てくる。<サーッサーッ>と波の音が蝉の声と合唱をし始める。 台風が沖縄地方に接近しているのである。8日か9日ごろ九州か四国に上陸する見込みと気象庁では予報を出している。暫く豪雨、強風にはあっていないが、あまり会いたくない相手である。 糸魚川の市街地に入り、AM 10:30 糸魚川の駅に到着。 駅と隣接する物産館で情報収集、小休止。すぐに市民会館、市役所、民族資料館に向かう。糸魚川での芭蕉は「午ノ剋、糸魚川ニ着、荒ャ町、左五左衛門ニ休ム。」と曾良日記にあるように、休憩を取っただけで<一振>に向かっている。市民会館、市役所、民族資料館で芭蕉の休憩した<左五左衛門宅>を訪ねるが解らないと言う。街角に有る地図で<荒屋町>、また芭蕉の立ち寄った場所を探したが見当たらない。あまり深く追求しないで糸魚川の町を後にする。 糸魚川は<ヒスイ>の産地である。物産館でもヒスイを売っていた。道路沿いにはヒスイを展示販売する店が並んでいる。 私はヒスイよりも糸魚川と静岡の富士川を結ぶフォッサーマグナに興味があるが今はそれを追及している余裕はない。 真夏の太陽の下、風が蒸し暑い空気を運んでくる。今日の宿泊地<青海町>に向かう。 3時、宿に到着。宿の看板が無かったら普通の民家の佇まいである。女将さんがが部屋に案内をしてくれる。自分の家に帰ってきたようだ。話好きで底抜けに明るい女将さんに部屋に案内されるが、立ったまま30分程も話をする。役場に出かけると話すと、青海町はヒスイの産地で役場の隣にある総合文化会館にはヒスイまた、その資料が展示されているから是非見てくると良いと言われ出かける。 役場に寄った後 総合文化会館に行く。大勢の家族連が見学をしている。大きなヒスイの原石や加工されたヒスイが展示されている。 ロビーで椅子に腰を下ろしパンフレットを見ていると、色々の音響機材を持った人たちがきて隣のソファーで打ち合わせを始める。町でのコンサートの打ち合わせのようだ。 5時近くに宿に戻る。荷物の整理をしていると大粒の雨が屋根やガラス戸を打ち始める。瞬く間に土砂降りの雨になる。周りの景色が見えなくなるほどの降りようだ。20分程で上がる。 夕食のとき女将に夕立のことを話すと、夏にはよくある降り方だと言って笑っている。 明日は<親不知>を歩くというと、トンネルが狭くて危険だと心配をしてくれる。 夕食後 親不知の一番難所にあるというホテルを見つけ、電話をしてトンネルの様子を聞く。 トンネル内は危険のため歩行は禁止になっている。ホテルでは親不知の駅また市振の駅まで宿泊客のために送り迎えのバスを出しているといっている。 明日は台風も近づいており天気も良くないかもしれない、またトンネル内の歩行の危険を避けるためにもホテルのバスで送ってもらえば安心だ。ホテルに宿泊できるか確認をすると夏休みのため満室だと言っていたが、何とか部屋を用意してくれる。 この青海の宿から親知らずの駅までは10kmもない。距離が短く一日の行程としては もったいないが無理をするよりも安全を選ぶ。 もし天気がよかったら親知らずを散策すればよい。安心して眠りに着く。 |
曾良日記 |
○ 十二日 天気快晴。能生ヲ立。早川ニテ翁ツマヅカレテ衣類濡、川原暫干ス。午ノ剋、糸魚川ニ着、荒ヤ町、左五左衛門ニ休ム。 |
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