遊 旅人の 旅日記

2003年7月29日(火)曇り

新発田市から新潟市へ
AM5:20 出発。新潟市内まで、26〜7km、ほぼ一本道で行ける。
午前中に中条町の公民館に電話をしなければならない。
AM8:15 農産物直売所で休憩。農家の人たちが、今朝 収穫したばかりの新鮮な野菜や果物を売っている。その朝採りの野菜や果物を求めて、沢山のお客さんが来ている。


AM9:30 競馬場入り口のバス停で小休止。少し早いと思ったが、中条町の公民館に電話をする。
紹介してもらった人は在席しており芭蕉が歩いた状況について詳しく話をしてくれる。
芭蕉が新潟まで歩いたルートについては、
<つゐ地(中条町築地)>から日本海を船で行ったのか、川を船で渡りながら海岸沿いの道を歩いて行ったのか、また、内陸の道を橋を探しながら歩いたのか、はっきりしたことは解らない。当時、このあたりの平地は、阿賀野川を始め大小の川が沢山あり、湿地のようなところもあり、通行には大変なところだったと言う。
一方、芭蕉の宿泊した場所
<次作>の息子<次市良>の家については、特定できていないと言う。

芭蕉の訪れた
<乙宝寺>に行き、<つゐ地(中条町築地)>を歩き、地元の人から芭蕉について話を聞き、私はそれだけで充分満足をする。疲れていた身体も軽くなる。渡良瀬川・高津戸峡(群馬県みどり市大間々町)


工業団地を通り、しばらくゆくと
<阿賀野川>の橋を渡る。満々と水をたたえ流れる大河である。芭蕉の歩いた江戸の初期、このような大きな川を渡るのは大変なことであったろう。
市街地に入りコツコツと歩いていると、後ろから自転車に乗った旅人が「頑張って」と声を掛け、ゆっくりと走ってゆく。手を上げて応える。後姿を見送りながら、{君も頑張れ!」と心の中叫ぶ。
自転車の後ろには大きな荷物が左右に振り分け付けられている。顔、腕、足が真っ黒である。

自転車の旅は大変だ。坂道や峠、山道など、歩く場合は、少し足に力を加えれば登ることが出来るが、自転車の場合は、ペダルを漕ぐ足の力と、大量の肺活量が必要だ。さらに漕げなくなった場合は自転車を押して歩かなければならない。
確かに自転車では歩く場合よりも、長い距離を、早く旅することが出来る。しかし、それだけに体力が必要になる。
自転車の旅は歩いての旅よりも厳しく強靭な体力が必要だと思う。

プールに行く小学生が、「こんにちわ」と元気に声を掛けてすれ違ってゆく。人と声を交わすと元気が出る。

大きなショッピングセンターのコーヒーショップで、昼食をとりながら小休止。屋内で休むのは久しぶりである。あと6〜7kmだ。二時間はかからない。

渡良瀬川・高津戸峡(群馬県みどり市大間々町)新潟の大都会の町並みを歩く。東京を出てから仙台に次ぐ大都会である。
二時にホテルに到着、荷物をフロントに預ける。

旅に出てから、髪の毛も髭も自分で手入れをしているからそんなにみっともなくは無いが、散髪屋に行くことにする。二ヶ月ぶりの散髪である。
ホテルのフロントで近くにある散髪屋を教えてもらう。しっかりした丁寧な店で、10人ほどいる従業員も皆若く明るく、気持ちの良い店であった。
頭も顔も気分もさっぱりとしてホテルに戻る。
他の宿泊客で混まない内にとコインランドリーで洗濯をする。


明日は一日新潟に滞在して、後半の旅に供えよう。
血圧の薬も二か月分がちょうど終わる。医者に行って体のチェックをし、血圧のクスリをもらおう。靴も新しく変えよう。二ヶ月間音信不通にしている、友人・知人にメールを打つなど、日常生活の処理をしよう。また日記、画像の整理もしなければならない。
大まかなスケジュールを立てた後、フロントに下りて行く。
ファイルしてある今日の新聞に片っ端から目を通していると、濃い色のスーツを着たサラリーマンが次から次へとチェックインをしている。いつの間にか六時近くなっている。
食事をしにホテルを出る。新潟駅の万代口は駅を出るとすぐに繁華街(飲食街)が広がっている。新潟は今や東京から日帰り出張の圏内である。仕事を終え、駅前で飲食をした後、新幹線に乗って東京に帰る、そのようなサラリーマンが多い。そのため駅の直ぐ前が繁盛している。
その繁華街を避け、駅の中の食堂で夕食を済ます。
部屋に戻り、シャワーを浴び、ビールを飲みながらテレビを見、しばし旅の緊張から離れてみる。
曾良日記
二日 辰ノ刻、立。喜兵方より大庄や七良兵ヘ方ヘ之状は愚状に入、返ス。昼時分ヨリ晴、アイ風出。新潟ヘ申ノ上刻、着。一宿ト云、追込宿之外は借不。大工源七母、情有、借。甚持賞ス。
お休み処
(今日の画像) この日は画像がないため、日記と関連の無い画像を入れました。
群馬県みどり市大間々町にある
<渡良瀬川の高津戸峡>の画像です。昨年秋に撮影したものです。
私の家の近く、家から歩いて一時間、車で15分程のところにあり、私のウォーキングコースにもなっています。
秋の紅葉、初夏の新緑は一見の価値があります。
川沿いには
<渡良瀬渓谷鉄道>が走っており、<足尾銅山>で知られる<足尾(現在は日光市)>まで行くことが出来ます。
俳聖 松尾芭蕉・芭蕉庵ドッドコム

新潟市公式ホームページ