シロアリの生態

シロアリってどんな虫?

日本には、約25種類のシロアリが生息しているといわれています。
中でも、一般的に家屋に被害を与えるシロアリが、「ヤマトシロアリ」「イエシロアリ」です。

※ 最近、被害が増加しつつある「アメリカカンザイシロアリ」については、こちら から。

シロアリと黒アリ ・・・ 羽アリの見分け方

 家の中で羽アリを見つけて「もしかして・・・シロアリ!?」と、驚かれる方も多いと思います。
 しかし、羽アリには、シロアリの羽アリと、家屋に被害を与えない普通の「アリ」の羽アリが存在します。それらの簡単な見分け方は次の通りです。
種類

シロアリの羽アリ

黒アリの羽アリ

形状 シロアリの羽アリ 黒アリの羽アリ
見分けやすいポイント
触覚 数珠状で直線的 「く」の字状をしている
4枚ともほぼ同じ大きさ 前羽2枚が後羽2枚より大きい
体形 頭部と胴体の2つに見える 頭部、胸部、腹部の3つに見える
※黒アリの中にもシロアリを捕食するオオハリアリ(体長4mm程度)などの種類がいます。発見した羽アリが、黒アリであっても、大量に家の中や周囲から飛び立っているようであれば、「シロアリ」が生息していることがよくありますので、そういった場合は点検をお勧めします。

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シロアリの生態

シロアリは、コロニー(社会)の中で集団生活している社会性昆虫です。見た目の異なる構成員が存在し、それぞれが役割を分担し、生活しています。

家屋に被害をもたらすシロアリの特徴は・・・

@ シロアリは殆どの場合地面から侵入してきます。
ヤマトシロアリ、イエシロアリは、地中から侵入してくるため、「土壌性シロアリ」と呼ばれています。しかし、雨漏りなどで水分補給が出来る場合などは、壁の中や屋根裏に(中継基地のような)巣を作る場合も多く見られます。
※羽アリが飛来してきて、そのまま家屋を食害することはありません。
※長期間の雨漏りや、常に湿っている場所(ベランダのタイルの裏など)があれば、上層階でもそこに巣を作る場合が稀にあります。
A 外気に触れる場所では、必ず蟻道や蟻土と呼ばれる道を作りその中を移動します。
日光などの光を嫌い、蟻道は光の当たらない床下などに作ることが多く、また、木材を食害する場合も表面の「皮1枚」を残すため、見た目では気づかないことがほとんどです。
B 集団が大きくなると、その一部が「羽アリ」となり飛び立ちます。
家屋などに被害をもたらすのは、体の色が白い(乳白色)のいわゆる「幼虫」です。羽アリとなったシロアリは、「女王」と「王」になるために飛び立ちます。しかし、その殆どはカエルやツバメなどの餌となるため、生き残り再び集団を形成できるのは、ほんの数%と言われています。
羽アリが家の中から飛び立つようであれば、かなり被害が進行していると考えられます。
  蟻道1 蟻道2
↑シロアリの蟻道
シロアリは束石や基礎に沿って侵入してきます。

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シロアリの構成員とその役割

シロアリ構成員
女王  兵蟻  職蟻
女王・王アリ
繁殖が仕事です。一つのコロニーに一組存在します。
兵蟻(兵隊アリ)
外部からコロニーを守るのが仕事です。全体の2〜3%程度と言われています。
職蟻(働きアリ)
コロニーの殆どを占めます。巣や餌場までの蟻道を作り、餌(木材や紙など)を巣に運び、女王や兵蟻に与えます。

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ヤマトシロアリとイエシロアリの違い

 

ヤマトシロアリ

イエシロアリ

分  布 主に北海道を除く日本全土に生息 主に関東以南の温暖な
海岸沿いに生息
体  長 3.5〜6.0mm程度 5.0〜9.5mm程度
コロニーの
規模
数千匹〜数万匹 数十万匹〜百万匹
加害速度
範囲
加害速度は比較的遅い。
主に家屋の下部材を加害する。
雨漏り等があればそれ以上を加害する場合もある。
1つの集団は小さく加害範囲も(イエシロアリに比べて)狭い。
加害速度が速い
被害は家屋全体、屋根部材まで及ぶ。
1つの集団が大きく、行動範囲も広いため周囲数件の家屋にに被害をもたらす場合も多い。

加害形態 ヤマトシロアリ加害形態
加害場所=巣であることが多い
イエシロアリ加害形態
加害場所と巣が離れている
羽アリ 4〜5月頃の朝方から日中にかけて飛び立ちます。 6〜7月頃の夕方以降に飛び立つことが多い。光に集まる習性があり、外灯や窓などに寄ってきます。
見分け方 簡単な見分け方は、頭が茶色い兵蟻の頭部の形に注目します。
ヤマトシロアリ兵蟻
頭が大きく四角い形をしています。
蟻道を少し破壊しても、たいてい
すぐ隠れてしまいます。
イエシロアリ兵蟻
頭がやや丸い形をしています。
攻撃的で、頭部を軽く刺激すると、
口から白い液体を出します。
※山口県西部や福岡県北部に生息するカンモンシロアリ(軒シロアリ)も、ヤマトシロアリの一種ですが、その加害範囲は軒まで及びますので、イエシロアリに近い被害をもたらす場合があります。

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シロアリ被害を受けやすい(受けている)チェックポイント

以下の項目は、100%シロアリの被害を受ける、もしくは、被害を受けているとは限りませんが、シロアリ被害を受けやすい環境にあることは事実です。
家の周りに木材等の廃材を放置している。
柱などが地面に接地しているところがある。
浴室のタイルにヒビが入っている。
基礎や、壁にヒビが入っている。
しばらく出入りしていない部屋がある。
最近、床下点検や防蟻処理をしていない。
以下の項目に該当する場合は、シロアリ被害を受けている可能性があります。
床板がフワフワする。
柱や敷居・框などを叩くとと空洞音がする。
ドアやふすまがスムーズに開け閉めできなくなってきた。
柱と壁の隙間や、柱などの割れ目に土が(道状に)溜まっている。
クロスの目地などが変色したり土のようなものが付いている所がある。
家の隙間などから羽アリが飛んだ。
家の中にアリの羽らしきものがたくさん落ちている。
家の基礎に地面から土の道が登っている。
畳の縁が不自然にほつれている。

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