木炭=床下調湿炭ではありません

床下調湿炭には、卓越した調湿力が求められます

  木炭は、原材料となる木材の種類と生成温度などにより、それぞれに特徴かあります。
  例えば、ウバメガシから作られる「備長炭」は、燃料として非常に優れた力を発揮します。インテリア消臭剤としても、適しているでしょう。しかし、床下調湿炭としては、残念ながら力不足です。
  木炭は、水分の吸着が自己の許容量を越えると飽和状態となり吸排出作用ができなくなります。ですが、天日干し等で乾燥させると再びその力を取り戻します。
  一般的な木炭の「調湿効果は半永久的」という謳い文句は、「太陽光(熱)が届く環境にありこと」が条件であり、「床下で半永久的」という意味ではないのです。
  床下は、太陽の光・熱が殆ど当たらない環境です。湿気も多く存在します。床下での効果が長持ちしない木炭を、床下に敷き、飽和状態になったら天日干しするために外に出し、乾かして敷き直す・・・。 現実的、経済的ではありません。
  「床下」という苛酷な環境で、「半永久的」に働き続けることができる木炭こそが、本当の「床下調湿炭」と言えるのではないでしょうか。

床下調湿木炭観察記

「イイと思ったのに…。」  “木炭=床下調湿炭“と思い込み、残念ながら失敗されてしまった例をご紹介します。

床下調湿炭?… 【失敗例1】

バーベキュー用木炭編   「木炭=床下調湿炭」で、大失敗!

床下に敷き詰めて約2年…
  湿気解消、シロアリ予防には木炭が効くと人に言われ、量販店で安価なバーベキュー用木炭を大量購入。200kg程度を床下に敷き詰め、約2年が経過…。
  写真では判り難いですが、木炭はすでに水分を吸着して飽和状態になり、木炭自身にカビが発生しています。
木炭に蟻道が!
  おまけに(?)、シロアリ予防になると聞いていた木炭に、シロアリが蟻道を作ってしまっています。
  (写真中央左側の木炭についた土のようなものが“蟻道”です。)

※シロアリは外気に触れる場所を移動する必要があるときは、外敵から身を守るため、このような「道」を作ってその中を移動します。
シロアリに水を提供している?
  本来、乾燥した木炭は水分を吸着するため、水分が不可欠なシロアリが木炭の表面に蟻道を作ることは、考え難いことです。
  しかし、水分をたっぷりと含んだ木炭は、逆に、シロアリの「水分補給の場」となってしまっているのかもしれません。
  湿気対策、シロアリ予防のつもりで施工した「木炭」がこうなってしまっては意味がありません。
やはり、シロアリだ!

床下調湿炭?… 【失敗例2】

床下調湿用木炭編   中身はなんだったの?

床下収納庫の下に敷いてみました
  数年前、床下収納庫の湿気対策にと「床下調湿用」と表示された木炭(2s入り)を16袋購入しました。
  「袋ごと使用してください」と書いてありましたので、収納庫の下にそのまま敷きました。
  当初は効果があるように感じられましたが、間もなく、再び、収納庫にカビが発生し始めてしまいました。
木炭の袋にカビが!
  その袋をよく見ると、カビが発生していました。
  効果がなくなった理由が一目瞭然です。おまけに、袋は透湿性の少ないレジャーシートのような素材で、袋の表面に水滴が付いているのが判ります。
  「調湿炭」ではなく、「防湿シート」を敷いたようなものだったのかもしれません。
  ちなみに、中身は、円柱状のもの、三角柱のような形をしたものなど、木工工作材料などの廃材であることが一目で判るような状態の「木炭」(?)でした。