ワンチップマイコンによる手作りロボット

 特徴は、制作費、1台3千円台。単独でプログラミングできるマイコン内蔵。(これだけで千円台、取り出して、単独使用可能。)センサー等の取り付け自由、等々です。
今回制作したロボット(まだ名前はありません)は、以前、制作して、実際の授業でも活用しているマイコンを活用したものです。このマイコンは、マイクロチップ社のPICシリーズと呼ばれるワンチップマイコンを活用したものです。
このチップは、安価(500円以下で入手可)で、直接、スイッチや発光ダイオードをつなげる入力・出力回路を持つだけでなく、パソコンから繰り返しプログラムの書き込みができるメモリや、自分自身でデータの書き込みができるメモリを備えた優れものです。
 小学生でも扱えるような、独自の簡単なマシン語プログラムを本来データを書き込むメモリの部分に書き込むモニタシステムをつくり、これを本来プログラミングを書き込むメモリの部分に書き込むことでチップ自身でプログラミングができるようにしています。
 このマイコン単体で、簡単なマシン語(基本的なロードやストアをはじめ16の命令からなる)による、アルゴリズムに関する学習等ができる他、ブレッドボードを使っているので、小学生でも本体の制作だけでなく、センサ等の組み込みもを自由にできます。
 今回はこれをさらに拡張して、このマイコンをロボットに乗せてみました。マイコン本体も様々な工夫で単価を押さえています。
一番値のはるのはブレッドボードですが、通販で500円程度で入手可能です。チップをはじめ残りの部品も通販で入手でき、ブレッドボードさえ安価なものを探せば、1500円程度で作製できます。チップにパソコンを通じてモニタシステムを書き込むためのライタ(学校に1台あればよいものです)は、自作で2000円程度から、キットを通販で買っても5000円程度です。
 ロボットも足まわりのみメーカー品?(マブチモータのツインモータギアボックス等)を使っていますが、後はボディをはじめほとんど、「100円ショップ」で入手したもので作製しました。足まわりには回転を切り替えるリレーも入れると1000円以上かかりますが、それでも全体で2000円ほどでできます。
 フタ付き容器の、フタをシャーシに容器をボディに使っていますが、1組100円ですから、センサの種類ごとにボディを使い分けることも可能です。(今は、ものにぶつかると方向を変えるよう前面にマイクロスイッチ(200円程度)を付けカバーを貼り付けたものを使っています。)
 なお、マイコン部は半田付け無しで製作できます。ロボット本体も、今回は手荒な目に遭う試作品ゆえ、モータ部は半田付けをしましたが、しなくともなんとかなります。(半田ゴテ以外の工具はあえて100円均一ショップのものを活用してみました。) 「通販」と「百均」で全ての材料をそろえることが可能です。子ども達と一緒に材料の調達をするところから学習に組み込み、完成後も改良を加えていくこともおもしろとおもいます。
 
 今回のロボットで活用しているPICというチップを活用したロボットは色々な活用例があがっていると思います。ただ、今回のロボットの大きな特徴は、単なるロボットではなく、「ロボット付きマイコンシステム」というところにあると思います。
このマイコンシステム(サイエンスレンジャー、科学の祭典の活動ではキッズモニタシステムと呼んでいました)は、輪ゴムで、ロボットに固定し、ブレッドボードなのでコードは簡単に取り外しができます。
 添付した画像の状態で、LEDを出力装置、コードを入力装置として、単独でプログラミングやその実行(単なる計算データの入力・出力だけでなく、スピーカーからの音階の出力や、センサーからの入力による他の機器の駆動等々)ができ、今回はこれをロボットに拡張したものです。
 このような活用は、子ども達の創造や発表の機会を増し、これからの情報教育に大いに役立つものと思います。また、教員の側にとってもこれからは「こんな教材を使いたいのでお金をください」ではなく、教員自身の創意工夫で教育環境を整えていく時代となっていくと思われ、この観点からもこの取り組みはおもしろいと思います。






 このロボットに関する詳しい制作データ等は、これからこのWebページ等でお知らせしていきたいとおもいます。


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