化学     周期表  化学式          戻る

   難しく考えないことです。数多く、問題を解くことで計算式に慣れましょう。

    原子量・体積・アボガトロ数など
 

 化学で扱う物質は原子という小さい粒が集まることでできています。
 1個ずつ数えるのはたいへん。
  そこで登場するのがmol (物質量)です。




 

            
  


  

 ・アボガドロ定数
       

          ※アボガドロ氏:約200年前にイタリアの化学者


・物質量と質量の関係
   これは炭素原子を6.02×10²³個集めると、
  質量が原子量の数字と同じ12gになるようになっています。
   炭素の¹²C
   同様に原子量23のナトリウム(²³Na)を1mol集めると23g
      原子量1の水素(¹H)は1g,
      原子量16の酸素は(¹⁶O)は16gで
   質量が原子量の数字と同じになるようになっています。
   水(H₂O)分子はどうでしょうか?
    水素原子2個と酸素原子1個からなりますので、2+16で18g。
    つまり分子量18の水を1mol 集めると18gになります。
    式量(イオン)58.5の塩化ナトリウムを1mol 集めると58.5gになります。
    1mol 集めれば質量が原子量、分子量、式量、それぞれ一致します。

     原子量、分子量、式量それぞれに1molで何グラムになるかを
   
「モル質量」といい、原子量、分子量、式量にg/molを付けた単位になります。   

     [memo]
       
  [原子量と分子量]の違い
     分子量とは、原子量を足したものになります。前に説明しましたが、
    たとえば、
H₂Oの分子量を考えてみましょう。
    水素H(原子量:1)が2個と酸素O(原子量:16)が1個で構成されてますので、
    H₂Oの分子量は1×2+16×1=18 になります。
    分子量も原子量も同じく相対値なので単位はありません。
     しかし原子量同様に、まれに[g/mol:モル質量]という単位が使われます。


 ・物質量と体積の関係

    全ての理想気体1molは標準状態で、気体の種類に関係なく22.4Lになります。
        1molで22.4Lを22.4L/molと表します。

        

 物質量と質量、体積、個数の関係


 左図のこの関係は分かりやすく、

非常に重要なので完全マスターしよう!!

下に図①~⑥まで解説、関連した問いといっしょに

しっかり押さえておきましょう
 


  ①物質量[mol]Xモル質量[g/mol]= 質量[g]
    

   

  ②質量[g] / モル質量[g/mol]= 物質量[mol]
    
                                    

  ③体積[L] / 22.4[L/mol] = 物質量[mol]
        
          

  ④物質量[mol]X22.4[L/mol] = 体積[L]  
     
         

  ⑤物質量[mol]X(6.0X10
23)[/mol]= 個数  
     
      

  ⑥個数 / (6.0X1023 )[/mol] = 物質量[mol]    
                                   



 練習1)  原子量は以下の値を用いる。
  H=1  C=12  N=14 O=16 Na=23  Al=27 S=32 Cl=35.5 Ca=40

         
物質量について①~⑩の問いに答えよ。
       気体の体積は標準状態のときの値とします。

       ① エタンC
 0.25[mol]は何gか。
       ② 二酸化炭素CO、 22gの物質量は何[mol]か。
       ③ O  0.5[mol]の体積は何[L]か。
       ④ CO 56.0[L]の物質量は何[mol]か。
       ⑤ 水素分子H 1.5[mol]の粒子の個数は?
       ⑥ N(窒素分子) 3.0x10
23個の物質量は何[mol]か。
       ⑦ メタンCH4  11.2[L]の質量は何gか。
       ⑧ プロパンC
 22gの体積は何[L]か。
       ⑨ 炭素原子C 3.6x1023個の質量は何gか。
       ⑩ 28[L]の酸素O2中に含まれる酸素分子の数は何個か。

          ※ 物質量mol(モル)を基本に考えよう

 解説
  ① エタンC₂H₆  0.25[mol]は何gか。
      C₂H₆の1molの分子量=30 30×0.25=7.50g 

  ② 二酸化炭素CO₂、22gの物質量は何[mol]か。
      CO₂の1molの分子量=44  22/44=0.5mol

  ③ 酸素分子0.5[mol]の体積は何[L]か。 22.4×0.5= 11.2L

  ④ 二酸化炭素 56.0[L]の物質量は何[mol]か。
      CO₂の1molの体積は22.4L 56.0÷22.4=2.5 2.5mol 

  ⑤ 水素分子H₂ 1.5[mol]の粒子の個数は?
      6.02×10²³ ×1.5=9.03×10²³  9.03×10²³個

  ⑥ 窒素分子 3.02×10²³個の物質量は何[mol]か。0.5mol

  ⑦ メタンCH₄  11.2[L]の質量は何gか。
      1molが22.4Lなので 0.5mol
       CH₄ の分子量=16 よって 16×0.5=8.0g

  ⑧ プロパンC₃H₈ 22gの体積は何[L]か。
      C₃H₈の1molの質量は 44g 22g=0.5mol 22.4×0.5=11.2L

  
⑨ 炭素原子C  3.02×10²⁴個の質量は何gか。
      1mol=6.02×10²³  3.02×10²⁴÷6.02×10²³=5mol 12×5=60g

  
⑩ 28[L]の酸素O₂中に含まれる酸素分子の数は何個か。
      28÷22.4=1.25 1.25mol= 6.02×10²³×1.25= 7.525×10²³個


練習2)物質量と物質の量について、以下の問いに答えよ。原子量は以下の値を用いる。
  
 H=1  C=12  N=14 O=16 Na=23  Al=27 S=32 Cl=35.5 Ca=40

 (1) 二酸化炭素分子1個に含まれる炭素原子と酸素原子はそれぞれ何個か?
      
二酸化炭素分子はCO
      炭素原子は1[mol]、酸素原子は[mol]で構成されるので、
      炭素原子は 1×6.0×1023個  
      酸素原子は
 2×6.0×1023 = 12.0×1023[個]が正解


 (2) アンモニア分子10個に含まれる窒素原子と水素原子はそれぞれ何個か
      アンモニアの分子式は(     )。
       アンモニア窒素原子が1[mol]と水素原子3[mol]で構成されるね。
      1[mol]は窒素原子が[  」個で、水素原子[  」個
       アンモニア分子10個だから
      窒素原子が1×[  ]個と水素原子が[  」個になります。 
 

 (3) 水分子HOが 
3.0×1023[個]のとき、水素原子と酸素原子はそれぞれ何[mol]か?
      
分子3.0×1023[個]は (   )[mol]。
        水素原子は2×(   )[mol]。酸素原子は×(    )[mol]になります。


 (4) 二酸化炭素COの分子1個の質量は
      
二酸化炭素分子の質量は 12+16×2=44  44[g] 
       ここでは単に分子レベルで分子1個の質量は、そのまま
(   )[g]

 (5) 塩化カルシウム
CaCl
2が33.3[g]について  Ca=40 , Cl=35.5  

 

  塩化カルシウムも同じ考え方です。上はヒントです。考えてみましょう

   ① 物質量は何[mol]か。
     
[mol]で40+71=111gなので 33.3[g]は(    )[mol]

   Ca2+ とCl-はそれぞれ何[mol]か。
      カルシウムイオンと塩化物イオンはイオン式から(  )[mol]、(  )[mol]。

   ③ Ca2+CとCl-はそれぞれ何[個]か。

      カルシウムイオンは(    )[mol]なので(   )[g]。塩化物イオンは(   )[g]

 (6) アンモニアNHが3.4[g]について  (原子量 H=1 , N=14)

   ① 物質量は何[mol]か。
     [mol]の質量は(   )[g]なので(   )[mol]

   ② 標準状態で体積は何[L]か。
     (    )[mol]ということは、単に(    )[L]だね。

   ③ アンモニア分子は何[個]か。

     (   )[mol]だから個数は(          )[個]だよね。


 (7) 窒素N 1.5x1023[個]について 

   ① 窒素分子の物質量は何[mol]か。
     1[mol]は(  )個。じゃあ1.5X1023[個]は(  )[mol]

   ② 体積は標準状態で何[L]か。
     (    )[mol]ということは、単純に(    )[L]だね。

   ③ 質量は何[g]か。
     1[mol]で質量(  )gだから

 (8) 水H
O  3.6gについて  原子量 H=1 O=16

   ①
 水の物質量は何[mol]か。
      質量3.6gは (   )[mol]ですよね。

   ② 
水分子は何[個]か。
     (   )[mol]だから(          )[個]だね。

   ③ 水素原子と酸素原子はそれぞれ何[個]か?
      
原子レベルだ。水分子は水素、酸素原子、
      それぞれ
何[mol]で構成されるかですね。

  練習3) 原子量は以下の値を用いる。  
          
※ 解答する際はまず、求める単位を意識しましょう

       H=1  C=12  N=14 O=16 Na=23  Al=27 S=32 Cl=35.5 Ca=40


     

               原子量に惑わされないよう

    
       
          

      質量を問われているので原子量の値が必要だね

           酸素原子0が2つ→分子 O2=32 2molで64g

    

           が1molだから   

    

            原子量 N=14 H=1x3  =17    51/17=3mol


    ⑥ SO2が1.5molあるときの積を求めてみよう

        22.4L…1mol だから 1.5 x 22.4=33.6Lが答えですね

   ⑦NaOHが12x個あるときの質量はどうだろう?

         

         Na=23  O=16  H=1から NaOH=40で 40x2=80g ←質量

   ⑧CO
2が44.8Lあるときの個数を求めよう   C=12   O=16

         44.8/22.4=2mol 

 

 

 ー ここらで一服 ー

   molを原子・分子レベルの化学式で考えてみましょう。

 

     下の図は水分子2[mol]が電気分解等により、
           水素分子2[mol]、酸素分子[1mol]に分解した化学式です。

     →      2H2O → 2H2 + O2      

 水分子1molに含まれる水素原子の物質量は、水素原子2個×1mol=2mol

      水H
2O 1molに含まれる水素原子と酸素原子の個数を求めてみよう。
         水素原子2個= x2 = 12.0g
          酸素原子1個= x1= 6.0g
             
分子レベルでは1mol、原子ごとに考えると上のようになります。
                それでは、⑨を考えてみよう。

    

     

               
                やはり、物質量が基礎になるね。
            

 問題

   分子量 物質量の計算  

   問1.物質量とは粒子の集団を意味する。粒子が(  ①  )個あるときを
      (  ②  )molという。また、このときの個数を(   ③   )という。
      ( ② )molあるときの物質の質量は(  ④  )にグラムをつけたものになる。



       解答   ①      ② 1   ③ アボガドロ数   ④分子量


   問2.原子量は以下の値を用いる。 ※ 解答する際はまず、求める単位を意識しましょう

        H=1  C=12  N=14 O=16 Na=23  Al=27 S=32 Cl=35.5 Ca=40

 

   ① Cが個あるとき、物質量を求めよ。

  
   
  

  
           
  

  

  

  


      解答  問いが何を要求しているか

            

          



          



         


       


 

 練習再問題

     

      解答 (1) 水素分子:2.00  (2)水分子 18.0  (3) 二酸化炭素 32+12=44.0    ※分子量や原子量、式量には単位はつけません

           
(4)アンモニア:17.0  (5)塩化ナトリウム式量:58.50
  

  復習1)
        物質量とそれぞれの物質の量について

         例えば、水分子1molに含まれる水素原子の物質量は、 水素原子2個×1mol=2mol

         水分子が2個あれば水素は4個あることになり、 水分子が10個あれば水素は20個あることになります。

         よって、水分子が1molある時に水素は2molあることになります。

         つまり、水分子1molに含まれる水素原子の物質量は、水素原子2個×1mol=2molですね。

      再確認

        

二酸化炭素(CO2)分子1個に酸素原子が2個含まれています。



        つまり「二酸化炭素1.00molの中」には、酸素原子は2.00mol含まれています。

        ※酸素原子であって、分子ではありません。1.00molの中に原子は、6.02×1023個含まれています


 復習2)  空気を窒素N2と酸素O2が体積比4:1(80%、20%)で混合した気体であるとする。
       空気の平均分子量を求めよ。また、
       体積22.4Lの空気の質量は何gか?小数点第一位まで答えよ。 原子量 N=14 O=16


     平均分子量は分子量の平均値です。N2の分子量は28、O2の分子量は32ですから、
    空気の分子量は以下の式で求める事ができます。
        空気の分子量= 28.8 また、22.4Lは1[mol]だから28.8g

  まとめ) 以下、プロパンC38を例にとって、化学式と物質量について、まとめてみました。
           (H=1  C=12  O=16) 
 化学反応式 
      38 + 5O2 →  3CO2 + 4H2O     化学反応式の係数

 反応物と生成物  プロパン  酸素
 分子の数の関係  1分子   5分子  3分子   4分子     分子の数の比
 物質量の関係   1 [mol]   5 [mol]  3 [mol]  4 [mol]     物質量の比
 質量の関係     44g   32×5g  44×3g 18×4g
      
 気体の体積の関係 22.4L  22.4L×5 22.4L×3  -          体積の比