日本消化器内視鏡学会甲信越支部

24.カルチノイドと腺癌の直腸衝突腫瘍の1例

新潟大学大学院医歯学総合研究科 消化器内科学分野
小林 雄司、竹内 学、横山 純二、佐藤 祐一
新潟大学医歯学総合病院 光学医療診療部
水野 研一、山本 幹、本田 穣、橋本 哲、小林 正明
新潟大学大学院医歯学総合研究科 分子・診断病理学
味岡 洋一
済生会新潟第二病院 病理診断科
西倉 健
新潟大学 保健学研究科 保健学専攻
岩渕 三哉

症例は52歳男性。検診にて便潜血検査陽性を指摘され近医にて下部内視鏡検査(CF)を施行した。直腸(Rb)に10mm弱の粘膜下腫瘍様病変を認め、生検にてcarcinoidの診断であったため精査加療目的に当科紹介された。当院にて施行したCFでは病変は9mm大の黄白色調粘膜下腫瘍様病変であった。隆起辺縁は進展された非腫瘍性上皮のパターンを呈していたが頂部では偏在して密な管状から類円形の腺管開口像を認めた。NBIでは密な腺管の領域に一致してネットワーク状の血管パターンを認めた。EUSでは病変は第2-3層を主体とする低エコー性の腫瘤として認識されたが第3層の途絶はなく粘膜下層内にとどまる病変と考えられた。内視鏡的切除の適応と考え内視鏡的粘膜下層剥離術を施行した。病理像ではカルチノイドと腺癌が併存し一部混在する病変であり両腫瘍成分の粘膜下層への深部浸潤を認めた。脈管侵襲も認めたため当院外科にて追加切除を施行したが腫瘍の遺残・リンパ節転移は認めなかった。その後、3年間経過観察されているが再発は認めていない。直腸における腺癌とカルチノイドの衝突腫瘍の報告は少なく、本症例はそれらの発生・関係を考察するうえで興味深い症例であると考えられた。内視鏡像・病理像とも若干の文献的考察を加えて報告する。