日本消化器内視鏡学会甲信越支部

26.EBウィルス関連重複胃癌の一例

都留市立病院
若菜 弘幸、岡本 廣挙、保坂  稔

症例は49歳の男性。健診異常にて来院、上部内視鏡検査にて噴門部前壁に0-2a+2c病変を認めた。粘膜下浸潤が疑われ、外科的加療の方針とし、胃全摘術を施行した。切除標本では、噴門部病変に加えて、体部小彎に0-2c病変を認めた。病理組織検査では、腫瘍はいづれも粘膜下浸潤をきたし、浸潤部では低分化な組織を示した。脈管浸潤は認めなかった。腫瘍は著明なリンパ球浸潤を有し、in-situ  hybridization施行にて、いずれにもEBV  encoded  small  RNA(EBER)の陽性像を確認、EBウィルスとの関連が示唆された。EBウィルス関連胃癌は、日本人の胃癌の約10%を占める比較的予後良好な疾患とされる。今回、胃切除後に判明したEBウィルス関連重複胃癌の一例を経験したので、報告する。