日本消化器内視鏡学会甲信越支部

8.精巣腫瘍縦隔転移の診断にEUS-FNAが有用であった1例

飯田市立病院 消化器内科
生山 裕一、岡庭 信司、玉井 方貴、高橋 俊晴、武田龍太郎、中村 喜行
飯田市立病院 泌尿器科
山下 俊郎
飯田市立病院 病理検査科
伊藤 信夫

症例は40歳代、男性。2003年両側精巣腫瘍(セミノーマ)に対して両側高位精巣摘除術と後腹膜の所属リンパ節に照射を施行した。術後再発所見もなく経過観察としていたが、2008年に施行した胸腹部CTにて気管分岐部直下の食道背側に30×17mmのリンパ節腫大を認めた。PET-CTにても同部位にFDG集積がみられたことから、精巣腫瘍のリンパ節転移や他の悪性腫瘍を考慮しEUS-FNAを施行した。細胞診にてセミノーマ細胞を認めたことから精巣腫瘍の縦隔リンパ節転移と診断した。信州大学泌尿器科に転院後BEP療法(ブレオマイシン、エトポシド、シスプラチン)を3クール施行され、2009年胸腹部CTでは上縦隔病変は消失していた。その後現在まで再発転移所見はない。縦隔病変のEUS-FNAは、比較的容易な手技であり侵襲も少ないことから、術前の病期診断や術後の経過観察にも有用と考えられる。