日本消化器内視鏡学会甲信越支部

5.36年間の長期経過中に、二次性アミロイドーシスを併発した腸管ベーチェット 病の1例

済生会新潟第二病院 消化器内科
本田 博樹、岩永 明人、本間  照 、木村 成宏、堀米 亮子、窪田 智之、関  慶一、石川  達、吉田 俊明、上村 朝輝
杉山内科
杉山 幹也
済生会新潟第二病院 病理診断科
石原 法子
新潟大学 分子病態病理
味岡 洋一

腸管ベーチェットの潰瘍は難治であると報告されている。長期予後については未だ不明であるが、近年の生物学的製剤の適用により今後予後の改善が期待されている。今回われわれは36年間の長期経過を追えた1例を報告する。症例は58歳男性。22歳時、虫垂切除術後から右下腹部痛が続き、25歳時、回盲部に5cm大の潰瘍形成性腫瘤を指摘され回盲部切除を受けた。1年後、舌に再発性アフタ出現したが、眼症状、皮膚症状、陰部潰瘍はなかった。この頃から腹痛再燃し、注腸、CFで吻合部回腸側に2型腫瘍様病変を認めた。8kg/5月の体重減少もあり、28歳時、吻合部切除術を受けた。3cm大のUl-4潰瘍であった。その後サラゾピリンが投与され、4行/日程度の便通であったが腹痛は無かった。しかし手術1年後、再び腹痛、口内アフタが頻回にみられるようになった。また、1度だけであったが陰嚢に潰瘍が出現し約1週間で自然軽快した。腹痛のため食事摂れず中心静脈栄養管理が必要となり、29歳、31歳、33歳時に入院した。この頃血便も見られ貧血のため輸血を繰り返した。その後も腹痛は時々みられたが、症状は徐々に軽快し入院までは必要としなかった。しかし48歳時、倦怠感と口渇が増悪し入院、腎不全と診断された。その後も通院継続、腹痛はずっとなかったが、CF所見上、吻合部潰瘍は大きさに増減はあるもののいつも活動性であった。58歳時、腹痛、発熱出現し、低蛋白悪化し入院。腎生検ならびに十二指腸粘膜の生検からAAアミロイドーシスと診断された。今後、透析導入ならびに生物学的製剤の使用を検討中である。