日本消化器内視鏡学会甲信越支部

41.悪性腫瘍による大腸狭窄症例に対するステント治療の経験

刈羽郡総合病院 内科
林 和直、高橋 祥史、佐藤 俊大、五十川 修

悪性腫瘍による大腸狭窄に対するステント療法は、大腸癌イレウスに対しイレウスを解除し緊急手術を回避して待機的手術を行う術前一時的留置と、大腸癌や他臓器悪性腫瘍の転移浸潤で根治が望めない場合の緩和治療としての姑息的留置がある。当院における悪性腫瘍による大腸狭窄に対する自己拡張型金属ステント(EMS)留置術施行例について検討した。対象:2006年4月より2011年9月までのステント留置試行17例(留置成功例16例、成功率94.1%)。術前一時的留置が1例、姑息的留置が16例で、男性9例 女性8例、平均年齢75.1歳(53~95)であった。原疾患は大腸癌13例、大腸癌術後再発腹膜播種4例で、ステント留置部位は直腸2例、S状結腸10例、下行結腸2例、横行結腸1例、上行結腸1例であった。留置成功例では全例で食事可能となった。合併症として穿孔1例、ステント内腫瘍増殖2例を認めた。姑息的留置で死亡まで追跡し得た9例での挿入期間は21~486日、平均130日、中央値76日であった。EMS留置術は狭窄解除率が高く、また侵襲が少ないため手術不能の悪性腫瘍による進行大腸狭窄例においてQOL改善において有効であると考えられた。