日本消化器内視鏡学会甲信越支部

33.小腸アニサキス症で腹腔鏡下に観察、洗浄ドレナージを行った4例

新潟県立十日町病院 外科
高橋 英徳、福成 博幸、中嶌 雄高、齋藤 賢将、設楽 兼司、林 哲二

アニサキス症は比較的稀な疾患ではあるが、生魚を摂取する機会の多い本邦では諸外国に比してアニサキス症の発症率が高い。その中でも胃アニサキス症が91%と大部分占め、腸アニサキス症は8%と稀である。突発性の激しい腹痛で発症し、画像上小腸の限局性浮腫像やイレウス像を呈し、腹水を伴うこともあることから、絞扼性イレウスや腸間膜静脈血栓症などの鑑別に難渋する。今回、小腸アニサキスを鑑別診断に挙げながらも、腹部所見や画像所見により他疾患が否定できなかったため、診断的腹腔鏡を行った4例を経験した。それぞれ限局した小腸の発赤、浮腫を伴い、2例は混濁した腹水を認めた。いずれも腸管切除は行わず、腹腔内の洗浄ドレナージのみを行った。術後腹痛は著明に改善し、早期に退院が可能であった。今回経験した小腸アニサキス症4例について文献的考察を加え、報告する。