日本消化器内視鏡学会甲信越支部

30.腹痛で発見された空腸GISTの1例

県立木曽病院
松岡 峻一郎、久米田 茂喜、河西 秀、小山 佳紀、秋田 眞吾、飯嶌 章博、北原 桂、福澤 慎哉、小口 貴也、北條 真代、下条 久志、小林 基弘、増本 純也

症例は83歳男性。2011年7月、腹痛を主訴に当院外科を受診した。腹部超音波、腹部CT、大腸内視鏡検査では腫大した虫垂を認め、虫垂粘液瘤が考えられた。また、腹部CTでは、中腹部に内部不均一な58mm大の不整形腫瘤も認め、PET検査施行したところ、同部位に集積を認め、間葉系腫瘍や神経鞘腫が考えられた。開腹所見では、腫大した虫垂と空腸に腫瘤を認めたため、回盲部切除と空腸切除を施行した。病理検査所見では虫垂は粘液瘤で空腸腫瘍はGISTと診断された。術後再発なく外来で経過観察されている。若干の文献的考察を含めて報告する。