日本消化器内視鏡学会甲信越支部

14.佐久総合病院での肝細胞癌に対するSorafenib使用経験

佐久総合病院 内科
高松 正人、古武 昌幸、比佐 岳史

【はじめに】Sorafenibは肝細胞癌(HCC)に対し初めて有効性が確認された分子標的薬で2009年5月に国内で使用可能となった。当院で2009年7月から2011年9月までにSorafenibを投与した15例のHCCについて検討した。【症例】年齢 :41歳~79歳、中央値67歳。性別:男性13例、女性2例。背景肝:B型肝炎3例、C型肝炎8例、その他4例。Child-Pugh score :5点9例、6点4例、8点2例。【Sorafenib適応とした理由】肝外転移10例(骨5例、リンパ節3例、肺1例、胸膜1例)TACE不応5例。【投与法】他の抗癌治療は併用せず、Sorafenib200~ 800mg/dayを経口投与した。副作用、効果により適宜増減あるいは中止した。【副作用】鼻出血、高血圧、かゆみ、倦怠感、肝障害、血球減少、手足症候群、皮疹、下痢などが見られた。減量・中止の理由となったのは鼻出血、手足症候群、下痢であった。【投与状況】2例:1ヶ月未満で副作用または全身状態の悪化で中止。いずれも開始時のPSが不良な例であった。5例:2~7ヶ月で無効と判断し中止、他の治療に切り替え。8例:1~16ヶ月投与中もしくは死亡まで可能な限り継続投与。800mgでの継続投与は多くの症例で困難であった。【効果】11例は投与開始後2~15か月後死亡。4例は1~16か月生存。平均生存期間は11ヶ月であった。標的病変の造影不良化、縮小がえられた症例が見られたがCR例はなく、総合評価ではすべてSDまたはPDであった。骨転移判明後1年4か月外来治療が継続できている症例が見られた。【考察】投与中の効果判定が困難であるが、他治療の適応がない症例には考慮すべき治療法であると思われた。