日本消化器内視鏡学会甲信越支部

30.EUSガイド下ドレナージ術の検討

山梨大学 医学部 第一内科
辰巳 明久、深澤 光晴、高野 伸一、門倉 信、高橋 英、佐藤 公、榎本 信幸

【目的】EUSガイド下嚢胞ドレナージ術(EUS-CD)の治療成績を検討する【対象】2009年10月より2011年1月にEUS-CDを実施した5症例のべ7回。平均年齢は42.7歳、男性5例、女性0例、膵仮性嚢胞4例(急性膵炎後1例、慢性膵炎後3例)、腹腔内膿瘍1例。嚢胞径10.2cm。治療理由は感染3例、出血1例、嚢胞径1例【方法】スコープはGF-UCT240、穿刺針はEcho tip19Gを使用。EUSガイド下に嚢胞を穿刺、Precut knifeにて通電拡張後、ダイレーターor4mmバルーンにて拡張し、内瘻として7Fr両側Pig tailステント、外瘻として7FrENCDステントを留置する。【成績】手技成功は7例中6例、ドレナージ奏功は5例中4例であり、合併症は見られなかった。また治療後から食事開始までは平均6.2日であった。ドレナージ不良例は急性膵炎後の16cm大の仮性嚢胞であり、EUS-CD後も壊死物質が残存し、内視鏡的Necrosectomyを行った。瘻孔を20mmバルーンにて拡張、直視鏡を嚢胞内に挿入し、嚢胞内の壊死物質を5脚鉗子にて除去した。合計3回の治療後に嚢胞径の縮小がみられた。【結語】嚢胞治療においてEUS-CDは有効かつ安全な治療法と考えられた。