日本消化器内視鏡学会甲信越支部

28.十二指腸穿破した膵仮性嚢胞内仮性動脈瘤破裂の1例

新潟県立吉田病院 内科
中村 厚夫、遠藤 新作、八木 一芳、関根 厚雄
新潟大学医歯学総合病院 第三内科
水野 研一

40歳代男性、主訴は右悸肋部痛と黒色の嘔吐。腹部USは膵頭部に8.5cmの嚢胞を認め内部に2.1cmの結節を認めた。検査成績はCRP:24、WBC:9500、Hb:16、AMY:107。腹部造影CTでは膵頭部に7cm、膵尾部に4cmと5cm大の嚢胞を認め、膵頭部周囲の低吸収域より急性膵炎に伴う仮性膵嚢胞と診断。膵頭部の嚢胞内には僅かに造影される隆起性病変を認めた。ERCPでは十二指腸下行部から主乳頭周囲が浮腫状に腫脹、主膵管に拡張、狭窄は認めず副膵管と膵頭部の嚢胞に交通を認めたがドレナージはできなかった。穿刺術を考慮しコンベックス型超音波内視鏡施行。膵頭部の嚢胞内は腹部US像とは異なり実質エコーを疑う領域が増え穿刺困難と考えた。腹部CTで膵頭部の嚢胞内に出血を認めたが状態安定にて経過観察とした。第13病日CRP:01にて食事開始。第19病日吐血し緊急内視鏡を行った。十二指腸下行部より出血しクリップにて止血、腹部CT で嚢胞内の隆起が強く造影、仮性動脈瘤破裂と診断し血管造影を行った。胃十二指腸動脈に仮性動脈瘤を認めコイルにて塞栓術を行った。その後経過良好、膵頭部の嚢胞は著明に縮小した。入院時の単純CTで隆起の高吸収域が診断に重要であった。