日本消化器内視鏡学会甲信越支部

15.胃瘻造設後造影は胃瘻患者の生存率を改善するか?

長野中央病院 消化器内科
小島 英吾、森 愛、田中 忍、田代 興一、太島 丈洋、松村 真生子

【はじめに】胃瘻患者の余命延長には誤嚥性肺炎対策が最重要課題である.

【目的】胃瘻患者において,胃食道逆流を早期に発見し栄養剤投与を工夫することによって,誤嚥性肺炎を予防し余命を延長できるかどうか検討すること.

【方法】胃瘻造設後4日目に水で希釈したガストログラフィン200mlを胃瘻チューブから投与し,食道への逆流が見られた群を胃食道逆ありと判断し,その程度によって栄養剤の投与を工夫した.この胃瘻造影を行った患者群69名(以下,造影群)を,胃瘻造影を行っていなかった時期の患者群192名(以下,非造影群)を対照とし,生存率および死亡原因について比較検討した.

【結果】胃瘻造影によって逆流があると判定されたのは22名(31.9%)であった.造影群の一年生存率は47%であり,非造影群の38%と比較し有意に高値を示した.全死亡における誤嚥性肺炎の占める割合は造影群40.0%,非造影群42.4%であり差は認めなかった.

【結論】胃瘻造影を行うことによって生存率は増加したが,誤嚥性肺炎での死亡減少には到らなかった.これは,誤嚥性肺炎発症時期を遅らせることができたことによるものと推察された.