日本消化器内視鏡学会甲信越支部

13.胃管に悪性リンパ腫を発生した異時性5重複癌の1例

県立がんセンター新潟病院 内科
富永 顕太郎、加藤 俊幸、佐々木 俊哉、栗田 聡、船越 和博、本山 展隆

症例は70歳代男性、(1) 8年前に下部食道癌T1N0M0を切除し後縦隔胃管再建術、その4年後に傍気管リンパ節に再発し60Gy照射された。(2) 5年前には盲腸癌で右結腸切除、(3) 3年前には喉頭癌で喉頭全摘された。(4) さらに2年前には胃管癌IIcが発見され、ESDされた。(5) その6カ月後、吻合部口側に隆起型食道癌を、胃管上部には潰瘍性病変を認め、悪性リンパ腫DLBCLと診断された。H.pylori感染は陰性で、後縦隔から傍大動脈までのリンパ節腫脹を伴い、Stage IVAとしてR-CHOP療法を施行した。治療後はCRとなり、現在はリツキシマブによる維持療法を継続している。なお吻合部口側の食道癌は縮小せず、術後8年目の再発と考えている。

胃管に発生した悪性リンパ腫の報告例はなく、異時性の5重複癌の症例である。