方法1)2000年-2010年に胃ESDを施行した適応内・適応拡大癌:A群962例1206病変と適応外癌:B群195例214病変に分け短期成績を検討した。方法2)1年以上経過観察された適応外癌170例の予後を検討した。結果1)一括切除率A群99%、B群96%(P=0.03)、完全一括切除率97%、84%(p<0.001)。術中穿孔1.6%、5.1%(P=0.027)、後出血4.6%、7.0%(NS)、遅発性穿孔0%、0.5%(NS)、肺炎0.3%、1.9%(p=0.02)。結果2)局所再発2例(1.1%)、遠隔再発3例(1.7%)(リンパ節2、肝1)、原病死2例(1.1%)。45例に外科手術追加、1例が6月で肝転移再発、25月で原病死。追加切除なしは125例で2例にリンパ節転移。1例はESD後12月でリンパ節転移、追加手術にて生存。1例は追加手術不煤AESD後局所遺残にてAPCを繰り返したが25月後にリンパ節転移、58月で原病死。5年生存率(中央値51月(0-126、overall/cause-specific)84%, 98%であった。【考察】適応外癌のリンパ節転移率は20%程度と予測されるが、追加治療無しでも再発率は1.6%であった。手術不能症例が多く、他病死が多いことも一因と考えられた。患者背景によっては適応外癌に対するESDが姑息的治療として成立する可能性があると考える。