日本消化器内視鏡学会甲信越支部

7.食道扁平上皮下に癌遺残を認めた分割EMR後局所再発の1例

佐久総合病院 胃腸科
國枝 献治、小山 恒男、高橋 亜紀子、篠原 知明、友利 彰寿、宮田 佳典

症例は50歳代、男性。Mt後壁の食道SCCに対して2分割EMRが施行されたが、T1aMM,HM1であったため紹介となった。MtのEMR瘢痕に接し辺縁隆起を伴う不整形の発赤陥凹を認め、さらに肛門側にも円形の発赤陥凹を認めた。両領域ともNBIではbrownish area、ヨード染色では不整形の不染帯を呈しSCCと診断した。EMR瘢痕に接して右口側にもヨード淡染領域を認めた。以上より、EMR瘢痕に接して3カ所に遺残があると診断し、瘢痕を含めたESDが必要と判断した。グリセオール局注にてある程度の膨隆が得られ、全周切開、トリミングは可狽ナあったが、病変中央部で高度の繊維化を認めた。糸付きクリップでカウンタートラクションをかけて視野を確保し、固有筋層直上で粘膜下層剥離を施行し一括切除した。最終病理診断は、SCC,T1a-MM,INFb,ly(-),v(-),pHM0,VM0,11x6mmで、癌は非連続性に遺残しており、一部は非腫瘍性扁平上皮に覆われた粘膜固有層にも遺残を認めた。早期食道癌に対するEMR後の遺残再発は、分割切除例に有意に多く、SMT様隆起としての再発症例も報告されている。本症例では非腫瘍性扁平上皮に覆われた粘膜固有層にSCCの遺残があり、SMT様局所再発の原因となり得る所見と思われた。