日本消化器内視鏡学会甲信越支部

49.マイクロカテーテル・マイクロコイル留置により術中病変部位を同定しえた小腸動静脈奇形の一例

新潟県立十日町病院 外科
齋藤 賢将、福成 博幸、佐藤 拓、青柳 治彦、設楽 兼司、林  哲二

症例は26歳、女性。貧血・下血精査目的に紹介。CTでは門脈系の早期描出、上部空腸静脈枝の拡張を認めた。上部・下部内視鏡では出血源は不明であった。小腸出血を疑い血管造影施行。上腸間膜動脈造影では、空腸第2枝に流入動脈の拡張、異常血管の集簇、流出静脈の早期描出、濃染像の遷延を認めた。ダブルバルーン内視鏡を行ったが出血源は認めなかった。以上より空腸動静脈奇形を疑い、術当日にマイクロカテーテル・マイクロコイルを留置し腹腔鏡下に手術施行。その際術中イメージ撮影でコイルの位置を確認後、カテーテルよりインジゴカルミンを注入し濃染範囲の空腸を切除した。