日本消化器内視鏡学会甲信越支部

8.食道類基底扁平上皮癌の1症例

佐久総合病院 外科
安藤 恒平、中村 二郎、真岸 亜希子

【症例】58歳男性。【治療経過】2008年8月に食道癌: Lt, 2型, 扁平上皮癌, cT2, cN0, cM0, cStageIIと診断し、術前化学療法としてFP (5-fluorouracil, cisplatin) 2コースを行い、治療効果判定はSDであった。同年12月に、引き続き右開胸開腹食道亜全摘術および2領域郭清にて遺残なく腫瘍を摘出した。病理組織診断は Lt, 28mm, 0-IIa+IIb, 類基底扁平上皮癌, pT1b(SM3), ly0, v1, IM0, CRT-Grade 0, pN3, sM0, Stage III。pR0, CurA.No. 1, 3, 9 リンパ節に腫瘍の転移を認めた。今回経過観察目的で行った胸腹部造影CT検査にて、No.16a2 リンパ節転移の所見があり、PETにて同部に集積を認め転移再発と診断した。その他に異常集積は認めず、単独再発と診断し、同リンパ節の切除術を行った。 リンパ節は右腎動脈と強固に癒着していたため、腫瘍の遺残があるものと考えられた。 病理組織診断は低分化扁平上皮癌であり、 同部への術後放射線治療を併用している。【考察】食道類基底扁平上皮癌は食道扁平上皮癌のなかでも比較的稀な疾患であり、その治療法について様々な報告がある。文献的考察を交えて、癌遺残が疑われる本症例での今後の治療法を検討し報告する。