症例1は62歳、男性。近医にてスクリーニング目的にCFを施行、横行結腸に腫瘤を認め当科を紹介受診した。当院でのCFでは横行結腸に頂部にびらんを伴った20mm大の粘膜下腫瘍を認めた。
MRIでは腫瘤内部は脂肪とほぼ等信号だったが、CTおよび超音波内視鏡では脂肪濃度とそれよりやや高濃度域が混在した。大腸脂肪腫が疑われたが、脂肪肉腫の可能性は否定できず、外科手術となった。症例2は68歳、男性。半年間つづく下痢、腹痛のため近医でCFを施行された。下行結腸に表面に白苔を伴った発赤調結節状隆起を認めた。生検では壊死組織のみ採取された。内視鏡的には1型大腸癌が疑われ当院紹介受診した。CTでは内部に分節状の脂肪濃度を伴う腫瘤を認めた。注腸造影では脾弯曲に急峻な立ち上がりの腫瘤を認め、バリウムが通過しなかった。内視鏡的には1型大腸癌可能性があり、CTでは脂肪肉腫の可能性が否定できず外科手術となった。摘出標本の病理組織所見ではいずれの症例も粘膜にびらんや線維化を伴ったsubmucosal lipomaであった。