日本消化器内視鏡学会甲信越支部

19.Rendezvous techniqueを用いてダブルバルーン内視鏡下胆管ステント留置 をし得た1症例

山梨大学 医学部 第1内科
高橋 英、高野 伸一、深澤 光晴、門倉 信、小松 信俊、深澤 佳満、佐藤 公、榎本 信幸

症例は60歳男性。主訴は発熱、黄疸。中部胆管癌cStageIVaの診断で2009年7月30日国立がんセンターにて肝拡大右葉切除、膵頭十二指腸切除、門脈合併切除を施行した。退院後、胆管炎と閉塞性黄疸を認めたため11月30日当科入院。肝門部の胆管空腸吻合部の局所再発による閉塞性黄疸に対してPTCDを行った。内瘻化するにあたりPTCD経路からメタリックステントの挿入を検討したが屈曲がつよく困難が予想されたため、ダブルバルーン内視鏡下のステンティングを選択した。しかし術後の癒着がつよく吻合部の10cm手前までしか内視鏡は到達できなかったためPTCD経路からのRendezvous techniqueを併用し胆道メタリックステント留置術を施行した。減黄は良好であり術後16日PTCDチューブ抜去となった。 術後再建腸管を有する患者への胆道処置として、近年ダブルバルーン内視鏡を用いた手技が多く報告されている。本症例では、PTCD経路、あるいはダブルバルーン内視鏡のみではステント留置が困難であったが、Rendezvous techniqueを併用することで処置が容易となった。Rendezvous technique併用下のダブルバルーン内視鏡的胆管ステント留置術の報告は稀であり、文献的考察を加え報告する。