カプセル内視鏡および小腸内視鏡で診断に至った小腸出血性ポリープの2例を経験した。
【症例1】60歳代男性.原因不明の消化管出血のため前医でカプセル内視鏡検査を施行。回腸からの出血を認めたため当科に紹介となった。ダブルバルーン小腸内視鏡にて回盲弁より約70cm口側に径4mm大のSMT様の隆起性病変を認めた。病変頂部の上皮は欠損しており、発赤した肉芽組織が露出していた。内視鏡的粘膜切除を行ったところ、病理組織検査でpyogenic granulomaと診断された。
【症例2】80歳代男性.黒色便、貧血のため前医に入院。小腸からの出血を疑われ当科に紹介となった。カプセル内視鏡で回腸にSMT様の隆起が認められ、間歇的に出血していた。同病変はシングルバルーン小腸内視鏡にて回盲弁より約70cm口側に径5mm大の頂部に発赤を伴う隆起性病変として認められ、出血のコントロール目的に回腸部分切除術を施行された。病理組織検査でpyogenic granuloma類似の組織を認められたが確診には至らなかった。比較的稀とされてきた小腸pyogenic granulomaは今後小腸内視鏡の発展に伴い報告が増加するものと思われる。文献的考察を加え報告する。