日本消化器内視鏡学会甲信越支部

15.超音波内視鏡下穿刺吸引術(EUS-FNA)の検討

新潟県立吉田病院 内科
中村厚夫、水野研一、八木一芳、関根厚雄

 2007年5月から当院でもEUS-FNAを開始した。使用機種はオリンパス社製UCT-240、観察装置はアロカ社製prosound α-10。可能な限り19G針(cook社製)を使用、穿刺困難例には22G針(オリンパス社製)を使用している。穿刺回数は1から3セッション、1回の穿刺で5〜20ストローク行っている。その場で組織が十分得られたときはその時点で終了している。2009年3月まで症例数は26件25症例。胃粘膜下腫瘍が17件、膵腫瘍が8件、縦隔リンパ節が1件であった。26件中組織が得られなかったのは5件であった。胃粘膜下腫瘍17件中GISTと診断されたのは9件。30mm以上2件、20〜29mm3件、10〜19mm4件、10mmの腫瘍が2例であった。GISTのガイドラインに沿い手術を薦めている。粘膜下腫瘍は穿刺可能であれば大きさにかかわらず積極的に穿刺し診断している。膵腫瘍8件中膵癌は6件、FNAによる診断は4件。画像や腫瘍マーカーで膵癌が疑われていても膵液細胞診で診断つかないときは積極的にFNAを行っている。膵癌以外は腎癌膵転移1件、慢性膵炎1件であった。縦隔リンパ節腫大1件はサルコイドーシスであった。症例数は少ないが実例を示し報告する。