日本消化器内視鏡学会甲信越支部

19.TS-1/CDDP併用療法が著効した進行胃癌の1例

社会保険山梨病院 内科
花輪充彦、細田和彦、薬袋裕子、飯田龍一

 症例は80才の男性。平成14年8月より、腹痛、食欲不振が出現し当科を受診し精査治療のため入院と なった。左上腹部に手拳大の圧痛を伴う腫瘤を触知した。上部消化管内視鏡検査にて、胃前庭部に2 型胃癌を認め、組織型は印環細胞癌であった。腹部CT検査で3群のリンパ節転移と腹膜播種を認め、 Stage Wであった。TS-1+low dose CDDP(TS-1 80mg/body/day, day1〜21 and CDDP 5mg/body/day, day4〜8 and day11〜15)を開始したところ、1コースでPR、その後3コースで CRとなった。25コースの化学療法終了後の経過は順調で3年CRを維持している。