日本消化器内視鏡学会甲信越支部

18.プラスチックステントが3年間10ヶ月留置された慢性膵炎の1例

新潟県立吉田病院内科
中村厚夫, 渡邉 順, 八木一芳, 関根厚雄

症例は33歳女性、1996年アルコール性肝障害にて他院入院歴あり。1998年より急性膵炎のため他院で8回入院。2001年の腹部CTで膵石を認めた。2002年禁酒にもかかわらず腹痛有り、腹部CTで膵管の拡張を認め10月当院紹介入院した。ERCPで12x8mmの膵石を認め尾側の膵管が描出されずESWLを3000発1回行い結石は縮小した。内視鏡的膵管口バルーン拡張術(EPBD-P)をおこない、バスケットにて膵石を除去した。2003年1月再び膵頭部膵管の狭窄による尾側膵管の拡張が認められたため2月7Fr、3cmのプラスチックステントを留置した。5月ステント交換。その後も3ヶ月から半年に1度の交換の予定であったが結婚や2回の妊娠にて交換できなかった。2007年3月腹痛を認め当科受診、ステント交換のため入院した。ERCPを行い抜去鉗子でステントを回収しようとしたが抵抗があり回収困難、強く引き抜いたところステントの先端には炭酸カルシウム結石が付着し棍棒状となり特異な形態を呈していた。幸い膵炎の合併はなく2日後退院したプラスチックステントの交換時期は3~4ヶ月が適当と考えるが本症例では長期留置となりステントの変化が特徴的で有ったため報告する。