日本消化器内視鏡学会甲信越支部

58. 膵管非癒合に発生した非浸潤性膵管内乳頭腺癌の一例

伊那中央病院 消化器科
三枝 久能、城崎 輝之
伊那中央病院 内科
吉岡 美香
伊那中央病院 外科
中山 中

症例は70代男性.
2005年4月,腹部CTで主膵管拡張を指摘され,精査を目的に当科を紹介された.各種画像診断で主膵管拡張以外の異常所見を認めず,外来にて経過観察されることとなった.この際主膵管は造影できなかった.
2006年4月,心窩部痛のため当科外来を受診した.血中アミラーゼ値上昇と,腹部CTで膵頭部の軽度腫大及び周囲軟部組織陰影の濃度上昇を認め,軽症急性膵炎と診断され入院した.
以前の画像所見と比較し,主膵管拡張が増強しており,精査を目的としてERPを行った.主乳頭からの膵管造影はできず,副乳頭からの造影で背側膵管のみが造影され,膵管非癒合と診断した.主膵管は膵頭部で軽度狭小化し,尾側の膵管は拡張していた.膵管内超音波では狭窄に一致して10mm大の低エコー腫瘤を認めた.膵液細胞診でClassVと診断され,当院外科で膵頭十二指腸切除を行った.
病理学的には非浸潤性膵管内乳頭腺癌と診断された.