日本消化器内視鏡学会甲信越支部

36. 早期胆嚢粘膜内癌の1例

諏訪中央病院 内科
西元 史哉、谷内 法秀、細田 健司
諏訪中央病院 外科
山田 武男
諏訪中央病院 病理科
久保 起与子

胆管癌は進行癌の状態で発見されることが多く予後不良であり、一般に早期癌の段階での発見は希である。今回我々は肝機能障害を契機に無黄疸で発見された早期粘膜内胆管癌の1例を経験したので報告する。症例は63才男性。糖尿病の既往がある。腹痛、発熱出現し肝機能障害指摘され、当院紹介受診。腹部超音波検査や単純CTでは、特記すべき異常を認めなかった。当初肝実質障害として治療していたが、腹痛みられていたため、MRCPを施行。Bmに3cm大の乳頭状隆起認め、造影CT上では、下部胆管内に淡い高吸収域を認めた。ERCP上でもBmからBiにかけての長径2.5 cm大の結節性隆起性病変を認めた。中下部胆管癌の診断で膵頭十二指腸切除術施行。切除標本では3.5cmの乳頭状の腫瘍を認めた。組織上は深達度mの高分化型腺癌でありリンパ節転移は認めなかった。術後経過は順調であり、現在経過観察中である。 本症例では胆管癌の診断にMRCPが有用であった。肝胆道系酵素の上昇で腹痛の持続する症例では胆管癌を念頭におき、MRCPや造影CTを積極的に行う必要があると考えられた。