日本消化器内視鏡学会甲信越支部

35. 粘液産生性早期胆嚢癌の1例

国立病院機構 松本病院 外科
吉川 美香、赤羽 康彦、北沢  将人、中村 俊幸、小池 祥一郎
国立病院機構 松本病院 内科
古田  清、宮林 秀晴、松林 潔、長屋 匡信
国立病院機構 松本病院 病理
中澤 功

 今回我々は粘液産生性の早期胆嚢癌の1例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。症例は68歳男性。半年前に腹痛があり、その後も上腹部不快感が持続するため当院受診。黄疸は認めず、g-GTPの軽度上昇以外に肝胆道系酵素の上昇は認められなかった。腹部超音波、腹部CTで胆嚢内に充満する腫瘍を認めたが、術前粘液の排泄は確認できなかった。腫瘍マーカーはCEA、CA19-9とも正常範囲であった。腫瘍は大きいため胆嚢癌を疑い、8月30日に肝床部切除術を施行した。胆嚢内には粘液が充満し、胆嚢全体に乳頭状の腫瘍を認めた。病理組織診断は、pat Gfbn, 乳頭膨張型, m, pap>tub1, tub2, int, INFα, ly0, v0, pn0, pHinf0, pBinf0, pPV0, pA0, pBM0, pHM0, pEM0, pN0であった。術後経過良好であり、第12病日に退院し、現在外来通院中である。粘液産生性の早期胆嚢癌の報告例は少なく、比較的まれな症例と考えられた。