日本消化器内視鏡学会甲信越支部

16. 内視鏡的に切除した大腸リンパ管腫の1例

市立甲府病院消化器内科
進藤 浩子、三浦 美香、青木 いづみ、俵 章夫、若宮 稔、嶋崎 亮一、大高 雅彦、赤羽 賢浩

症例は51歳、男性。検診で便潜血陽性を指摘され、下部消化管内視鏡検査を施行したところ、横行結腸に25mm大の有茎性の隆起性病変を認めた。病変は全体に表面平滑でやわらかく、biopsy施行したところ内部はcysticな病変と考えられた。Biopsyの検体からは有意な所見は得られなかったが、CT・MRIにて同病変は内部が液状成分の多房性嚢胞性病変であることが示唆された。Lymphangiomaを疑い、内視鏡的に切除を試みた。留置スネアをかけ、その上で隆起性病変を穿刺し排液。病変を縮小させた後、スネアを用いて病変を一括切除した。検体の病理診断もLymphangiomaであった。本症例のように比較的大きい病変でも、内容物穿刺吸引により縮小することで内視鏡的切除が容易になると考えられ報告する。