日本消化器内視鏡学会甲信越支部

31. ダブルバルーン小腸内視鏡(DBE)を用いて小腸ポリープを切除した Peutz-Jeghers syndromeの1例

信州大学 消化器内科
松田賢介、赤松泰次、小松通治、須澤兼一、北原 桂、尾崎弥生、白川晴章、 井上勝朗、金子靖典、村木 崇、横澤秀一、新倉則和、清澤研道
国立病院機構松本病院
宮林秀晴

 症例は27歳の男性。口唇に色素沈着を認め、父、祖母に大腸ポリープの家族歴を有し、9歳時腸重積で小腸部分切除を受けPeutz-Jeghers syndromeと診断された。2005年9月大量の血便がありA病院にて緊急大腸内視鏡検査を受けたところ大腸に多数のポリープが見られその一部から出血を認めた。後日大腸ポリープに対して内視鏡的ポリペクトミーを行ったところ摘出した16個中15個は過誤腫であったが、1個はCa in adenomaと診断された。小腸造影検査でも空腸と回腸に多数ポリープを認め一部は3cm大の大きなポリープであった。経口的及び経肛門的にdouble-balloon endoscopy(DBE)を行い、大きな病変に対し内視鏡的ポリペクトミーを行った。Peutz-Jeghers syndromeの小腸ポリープに対しDBEを用いた内視鏡的ポリペクトミーは有用な手技と考えられた。今後大腸など消化管に注意しながら経過を見る予定である。