日本消化器内視鏡学会甲信越支部

25. 当科における総胆管結石に対する内視鏡的十二指腸乳頭切開術についての検討

新潟市民病院 消化器科
古川浩一、滝澤一休、池田晴夫、岩本靖彦、渡辺和彦、相場恒男、米山 靖、和栗暢生、五十嵐健太郎、月岡 恵

 当科では総胆管結石に対し、内視鏡的十二指腸乳頭切開術(以下EST)を第一選択として実施している。今回、当科で2000年6月から2005年5月に実施した134例について治療の現況ならびに長期予後について検討した。当科での対象は、入院時に感染や黄疸を併発した症例が多く、EST前に何らかのドレナージが施行されていた。そのため入院期間としては、感染や黄疸などのコントロール期間を要しEST前に平均10.4日入院していた。しかし、EST後は手術待機の入院継続例を除くと平均4.7日で退院可能であった。約70%の症例で一期的に結石を除去し、短期間で治療が終了していた。観察期間中の総胆管結石再発例は3例、胆管炎再燃症例は2例であった。EST単独でも総胆管結石治療として十分な長期予後も得られていると考えられた。また、医療経済の観点から今回の入院期間をふまえて治療費概算を算出し検討したのであわせて報告する。