日本消化器内視鏡学会甲信越支部

15. 十二指腸GISTの4例

新潟県立がんセンター新潟病院 内科
伊藤裕美、本山展隆、秋山修宏、佐々木俊哉、船越和博、加藤俊幸
同 外科
薮崎 裕、土屋嘉昭
同 病理
太田玉紀

GISTの発生部位のなかで、十二指腸は比較的まれである。当院で経験した十二指腸原発GISTの4例について報告する。
【症例1】77歳女性。検診の上部消化管造影で異常を指摘され、EGDで十二指腸下行脚に粘膜下腫瘍を認めた。生検部位からの出血のため緊急手術を施行し、GISTと診断された。【症例2】82歳男性。食後の心窩部痛を主訴に来院。腹部CTで十二指腸水平脚に腫瘤を認めた。EGDでは診断はつかず、手術標本でGISTと診断された。【症例3】80歳男性。胃潰瘍術後でB-再建、胆石で胆摘後であった。突然の腹痛のため、総胆管結石の疑いでCTを施行したところ十二指腸下行脚に腫瘤を認めた。EGDの生検でGISTと診断し、手術を施行した。【症例4】75歳女性。高度貧血の精査のためのEGDで十二指腸下行脚に腫瘤を認め、腫瘤からの出血が貧血の原因と考えられた。手術を施行しGISTと診断された。