症例1:70歳代、男性。スクリーニング内視鏡にて中咽頭にわずかな発赤を認めた。NBI拡大観察にて不整なIPCLの増生を認めたため、癌と診断しEMRCにて一括切除した。最終診断はSCC, ep, 0-IIa, 4mmであった。症例2:60歳代、男性。食道表在癌のEMR後のサーベイランス目的でNBI通常観察を行ったところ上部食道左壁にbrown areaを認めた。通常観察ではわずかな発赤だが、ヨード染色にて明瞭な不染帯を呈した。拡大観察にて不整なIPCLの増生を認めたため、癌と診断しEMRCにて一括切除した。最終診断はSCC, m1-2,0-IIb, 2.5mmであった。結語:咽頭食道微小癌はNBI内視鏡にて境界明瞭なbrown areaとして認識された。また、NBI内視鏡は拡大観察時に異常血管をより詳細に描出でき、咽頭食道微小癌のスクリーニングのみならず質的診断にも有用であった。