日本消化器内視鏡学会甲信越支部

062 上腸間膜静脈血栓症の一例

新潟県立十日町病院外科
藤森 喜毅、福成 博幸、大槻 将、設楽 兼司、桐原 正人、林 哲二

 症例は80才女性.腹痛を主訴に他院を受診.小腸部分切除をうけた.術後3日経過するも腹痛続き、全身状態悪化したため、当科転院となった.緊急腹部造影CTを撮影し、上腸間膜静脈血栓症の診断で同日緊急手術を施行した.胃癌の術後でBillroth II法で吻合されており、吻合部より40cmからterminal ileumより35cmまで広範にうっ血した小腸および腸間膜を認めた.うっ血部位を切除し、end ostomyおよび粘液瘻を造設した.術後ヘパリン・ウロキナーゼを用いた抗凝固療法を併用した.経口摂取可能となったが、短腸症候群のためIVH管理を要した.現在在宅CV管理を行っている.