日本消化器内視鏡学会甲信越支部

051 総胆管結石に対する経皮的治療

新潟県立十日町病院 外科
福成 博幸、藤森 喜毅、大槻 将、設楽 兼司、桐原 正人、林 哲二

 【目的】当科では1998年より胆管内結石の治療手段として基本的には待機可能な症例ではEPBDを第一選択とする一方、閉塞性黄疸のために緊急でPTCDが挿入された症例やEPBD不能例、結石充満例、巨大結石例などに対しては PTCS-L を積極的に行ってきた。今回このPTCS-Lとさらにこの手技を発展させた経PTGBDルートからの切石(PTGB-L)についてその手技を呈示し、有用性について報告する。【方法】PTCSルートは10 Fr.まで拡張し、細径胆道ファイバースコープ(6.9 Fr. )にて胆管内の観察後、十二指腸への排石を容易にするため経皮的に十二指腸乳頭をバルーン・ダイレーター(径10-16 mm)にて拡張。結石が大きい場合はここでEHLによる砕石をファイバースコープ下に施行。小結石、破砕された結石は広径バルーン・カテーテル(バルーン径15 mmないし20 mm)を使って十二指腸内へ押し出すが、7Fr.と比較的細い径のバルーン・カテーテルの腰を補強する目的で金属製のコイル・ワイヤー・シースを挿入しておく。さらに最近では肝内胆管非拡張例や、息止めができない患者などに対してはPTGBDルートからの経胆嚢管的切石も可能となった。【結果】PTCS-L(44例)、PTGB-L(11例)を施行。平均年齢は80歳。上腹部の手術が11例に施行されていた。最近二年での症例に関しては最短4日、平均10.4日でtube抜去が可能であった。【結語】今後、EPBDと並んで胆管結石治療のひとつとなる可能性が示唆された。