日本消化器内視鏡学会甲信越支部

041 腸間膜原発脂肪肉腫の一例

長岡中央綜合病院内科
岡 宏光、稲田 勢介、佐藤 知巳、波田野 徹、富所 隆、吉川 明、杉山 一教
長岡中央綜合病院外科
西村 淳、河内 保之、新國 恵也、清水 武昭

 症例は25歳男性.2005年3月頃から腹部膨満感を認めていた.同年8月から腹痛も加わるようになったため同年8月12日来院.腹部に巨大腫瘤を触知.CT,MRIにて骨盤内まで至る充実性腫瘍を認めた.腹部血管造影検査では,回結腸動脈が腫瘍の栄養血管であった.同年8月29日手術施行.腫瘍は約30×20×9cm,重量3200gで皮膜を有し,虫垂間膜を起始部とすると考えられた.病理所見は脂肪肉腫であった.腹腔内消化管外腫瘍の中で腸間膜原発の腫瘍は稀である.特に腸間膜原発脂肪肉腫は報告例も限られている.進展が緩徐なことが多く巨大腫瘤となってから発見されることが多いとされている.今回,我々は,比較的若年者にみとめられた腸管膜原発巨大脂肪肉腫の症例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.