日本消化器内視鏡学会甲信越支部

027 血小板減少(血小板59000〜82000 /μl)を伴う代償性C型肝硬変に対し少量長期インターフェロン.リバビリン併用療法を行い完全著効に至った6症例

飯田市立病院 消化器内科
山浦 高裕、海野 洋、岡庭 信司、中村 喜行
昭和伊南総合病院 肝臓内科
田中 直樹
飯田市立病院 臨床病理科
伊藤 信夫

 C型肝硬変に対するIFN療法は本邦では保険適応外とされているが、高度HCC合併危険群にて有効な治療法の確立は急務である。近年、抗ウイルス効果という点においてIFN単独療法に比しIFN. RBV併用療法は優れた抗ウイルス効果を有することがコンセンサスを得ている。今回我々は血小板減少を伴う代償性C型肝硬変に対し少量長期インターフェロン.リバビリン併用療法を行い完全著効に至った6例を経験したので報告する。内訳は男性4例, 女性2例である。年齢は49歳〜71歳(平均58.2歳)。治療前血小板数5.9〜8.2万/μl (平均7.2万/μl), 治療前Hb値12.1〜14.4 g/dl (平均13.5 g/dl)。HCV遺伝子型は1bが5例, 2aが1例。HCV-RNA量は100KIU/ml以下 1例, 101〜500KIU/ml 3例, 501KIU/ml以上 2例である。IFN-α2b(3MU/回, 3回/週). RBVを用いて治療を行った。併用療法開始後HCV-RNAが陰性化した時点から更に併用療法を96week間行った。併用療法開始後HCV-RNAが陰性化したポイントは4週間目が1例, 8週間目が1例, 12週間目が1例, 16週間目が1例, 24週間目が2例であった。HCV遺伝子型 1b. 高ウイルス例のIFN療法難治例を含め少量長期IFN. RBV併用療法は有効であり、血小板減少を伴う代償性C型肝硬変患者において福音と成り得る可能性がある。