日本消化器内視鏡学会甲信越支部

009 内視鏡的粘膜切除術で切除し得た胃微小カルチノイドの1例

新潟医療生活共同組合 木戸病院
横山 恒、佐藤 秀一、摺木 陽久、山田 明

 今回、我々は内視鏡的粘膜切除術(EMR)により切除しえた胃微小カルチノイドの1例を経験したので報告する。症例は74歳男性、検診目的に平成16年2月2日、上部消化管内視鏡を施行し、胃体上部大湾に径3mm大、やや発赤調で立ち上がり比較的明瞭な隆起性病変が認められ、生検にてカルチノイド腫瘍と診断された。3月31日に斜め爪付き型透明キャップを用いて内視鏡的粘膜切除術(EMR-C法)を施行した。切除標本は15×19mm、病変部は3×2mmであった。組織学的診断ではcartinoid tumor,mm,切除断端陰性であった。内分泌学的検査では血中セロトニン、尿中5-HIAAは正常範囲内であったが、ガストリンは6037pg/mlと著明な高値を示し、A型胃炎との関連の可能性が考えられた。