日本消化器内視鏡学会甲信越支部

38,当院におけるEUS-FNAの導入経験

長野市民病院 消化器科
立岩伸之、長谷部 修、武田龍太郎、今井康晴、長田敦夫
同 病理
櫻井博文、保坂典子

 当院では2004年12月よりEUS-FNAを導入し,これまでに4症例を経験したため報告する。使用機種はGF-UCT240,SSD-5000,穿刺針はOLYMPUS社製EZ Shot 22Gを使用した。
 症例1は多発肝転移を伴った膵尾部癌。腫瘍マーカーの上昇がみられず,EUS-FNAを施行し,腺癌の確定診断を得た。症例2は進行胃癌,胃MALTリンパ腫にて胃亜全摘術の既往あり。術後3年目に腹腔内多発リンパ節腫大を認め,EUS-FNAにて悪性リンパ腫と診断された。症例3は膵頭部癌,多発肝転移症例。EUS-FNAにて腺癌と診断され化学療法を施行した。症例4は短期間に増大した胃穹窿部SMT症例。EUS-FNAにてGISTと診断し,局所切除術を施行した。
 4例全例で組織診まで可能であり,偶発症はみられなかった。EZ Shotを用いたEUS-FNAは操作性が良好で確実な組織診が可能であり,有用な手技と考えられた。