症例は37歳男性。十二指腸球部に粘膜下腫瘍様の基部を伴う35mm大の隆起性病変を認め紹介受診した。生検で上皮の過形成と診断され、超音波内視鏡検査及び穿刺吸引細胞診を施行した後に外科的切除術を行った。切除標本組織で偽浸潤を呈したPeutz-Jeghers (P-J)ポリープと診断された。家族歴及び指趾・口唇口腔粘膜の色素沈着は認めなかったが、小腸に多発性ポリープを認め不全型Peutz-Jeghers 症候群と診断した。
偽浸潤を伴う十二指腸P-Jポリープを通常及び超音波内視鏡で観察した症例の報告は稀であり貴重な症例と考えられたため文献的考察を加え報告する。