日本消化器内視鏡学会甲信越支部

21,偽浸潤を伴う巨大な十二指腸ポリープを認めた不全型Peutz-Jeghers症候群の1例

新潟大学大学院医歯学総合研究科 消化器内科学分野
田村 康、田覚健一
南部郷総合病院 内科
渡辺史郎
新潟県立中央病院 内科
丸山貴広、小堺郁夫、藤原敬人
同 外科
加納恒久、長谷川正樹
同 病理検査科
酒井 剛、関谷政雄

 症例は37歳男性。十二指腸球部に粘膜下腫瘍様の基部を伴う35mm大の隆起性病変を認め紹介受診した。生検で上皮の過形成と診断され、超音波内視鏡検査及び穿刺吸引細胞診を施行した後に外科的切除術を行った。切除標本組織で偽浸潤を呈したPeutz-Jeghers (P-J)ポリープと診断された。家族歴及び指趾・口唇口腔粘膜の色素沈着は認めなかったが、小腸に多発性ポリープを認め不全型Peutz-Jeghers 症候群と診断した。
 偽浸潤を伴う十二指腸P-Jポリープを通常及び超音波内視鏡で観察した症例の報告は稀であり貴重な症例と考えられたため文献的考察を加え報告する。